約 2,183,153 件
https://w.atwiki.jp/gods/pages/97199.html
アナスタシアドミトリエヴナ(アナスタシア・ドミトリエヴナ) モスクワ大公の系譜に登場する人物。 関連: ドミートリードンスコイ (ドミートリー・ドンスコイ、父) イヴァンフセヴォロドヴィチ(2) (イヴァン・フセヴォロドヴィチ、夫) 別名: アナスタシヤ(9)
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/70.html
◆6XQgLQ9rNg氏 000 OPENING 004 彼女の魔法、彼の理想 015 Wild Lady,Strange Scientist 027 天魁星の意志 030 言葉と拳に想いを乗せて 034 男の契約 039 守りたいもの、生きるべき人 043 道化師の哄笑 048 『勇者』の意味、『英雄』の真実 053 大切な人がくれたもの 056 夜空の果て -再来- 060 心の行き着く先 067 トゥルー・ホープ(前編)(後編) 075 Trust or Distrust 077 機械仕掛けの城での舞踏,剣豪と影と輝ける星と 089 空虚の輪郭 097 妖星乱舞,壊れた心に貫く想い 103 飛行夢 109 夜雨戦線 -Cross Battle-,夜雨戦線 -Real Force-,夜雨戦線 -Emotional Storm- 121 第四回放送 125 夜の温もり -タエラレヌヤサシサ- 129 デイブレイク 133 <ハジマリ>のクロニクル,なまえをよんで,Resistance Line 137 クロスファイア・シークエンス 147 Aquilegia -わたしの意地、私の意地-,Phalaenopsis -愛しいきみへ、愛するあなたへ- 148 オディオを継ぐもの 150 第六回放送 156 罪なる其の手に口づけを 【キャラクター登場率・登場回数】 +開示する 原作 登場率 内訳 【キャラクター登場率 44/54+1】 LIVE A LIVE 5/7 アキラ、高原日勝、レイ、ストレイボウ、無法松 ファイナルファンタジーVI 5/7 マッシュ、セッツァー、シャドウ、ゴゴ、ケフカ ドラゴンクエストIV 6/7 ユーリル、アリーナ、ミネア、シンシア、ピサロ、ロザリー WILD ARMS 2nd IGNITION 全員登場 アシュレー、リルカ、ブラッド、カノン、マリアベル、アナスタシア、トカ 幻想水滸伝II 5/6 リオウ、ジョウイ、ビクトール、ビッキー、ルカ ファイアーエムブレム 烈火の剣 4/5 リン、ヘクトル、ジャファル、ニノ アークザラッドⅡ 4/5 エルク、シュウ、トッシュ、ちょこ クロノ・トリガー 4/5 クロノ、カエル、エイラ、魔王 サモンナイト3 3/5 アティ、アズリア、イスラ 主催者 1/1 魔王オディオ その他 -- ワン@LAL、クリフト@DQ4 【キャラクター登場回数】 5回 2人 ピサロ、アナスタシア 4回 4人 マリアベル、ストレイボウ、ジョウイ、カエル 3回 7人 魔王オディオ、ユーリル、魔王、アキラ、ゴゴ、ちょこ、イスラ 2回 12人 セッツァー、ケフカ、ロザリー、アシュレー、ブラッド、トカ、リオウ、ルカ、ジャファル、アティ、ヘクトル、ニノ 1回 19人 高原日勝、レイ、無法松、マッシュ、シャドウ、アリーナ、ミネア、シンシア、リルカ、カノン、ビクトール、ビッキー、リン、エルク、シュウ、トッシュ、クロノ、エイラ、アズリア OPから魅せてくれる人。内容・把握ともにオールラウンダー。トカをも描き切る能力を持つ -- 村人A (2008-10-17 20 08 16) まず最初にOPのあまりのクオリティの高さに驚く。次にそれがマグレではないことを示す作品の数々にもっと驚かされる。アナスタシアとユーリルの話は後に語り継がれてもおかしくない名作 -- 名無し (2009-03-13 20 06 24) とにかく上手い。どれもこれも重く響く話ばかり。上記でも上げられている『勇者』の意味でのアナスタシアやトゥルーホープでのカノンやルカなど、鬼気迫るものがある -- 名無しさん (2009-07-24 15 31 50) オープニングから始まり,どの話も巧い,バランスのとれた書き手氏.ラスボスの風格を存分に書ききるバトルや,深い心理描写などは必見.個人的お薦めは『『勇者』の意味、『英雄』の真実』 -- 名無しさん (2010-06-09 21 54 17) RPG三羽烏(ノリです)の一人。とにかく上手い人。既に言われていることだが悪役がとにかく上手い。ちんぷな小悪党に陥れず恐ろしい巨悪として書ききる。あと多分ワイルドアームズ大好き。お勧めは 妖星乱舞,壊れた心に貫く想い 読後の余韻がたまらない -- 名無しさん (2010-07-10 20 14 33) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/363.html
瓦礫の死闘-VS死龍・ハードオブヘクトル- ◆wqJoVoH16Y 夢――――そう言うには、あまりに稚拙な妄想だと思う。 幾つもの蝋燭の灯に照らされた玉座の間は、温かかった。 何一つ傷のない大部屋に、欠片の汚れもない紅い絨毯が整然と敷かれたその先の玉座。 そしてその御座に座る魔王。私はその傍らにいた。 広げれば人一人は優に包める巨大な翼を折り畳み、私は魔王に肩を寄せる。 玉座は“この人”一人が座るには大きすぎて、私たち二人が並んで座るには苦にならない。 だからだろうか。魔王は私を一別することもなく、いつものように不満そうな無表情のまま、何もいわず自分の肩を貸し続けた。 それが「好きにしろ」と言われたようで、うれしくて。 私はその勝手な嬉しさに甘えて、魔王の膝に頭を預けた。 翼が邪魔になるので、体を寝返らせると、魔王の腹部を見るような形になる。 ふとした気恥ずかしさと、矢張り度が過ぎたかという思いから私は頭を上げようとする。 しかしその時、魔王の手のひらが私の頭の逃げ道を塞ぎ、 私はただそのまま魔王の膝を枕にするしかできなかった。 どくり、どくりと高鳴る心臓の音と共に、その顔を見上げる。 銀の髪を後ろにまとめ、黒い外套を纏った魔王。 魔族の証たる角の代わりに、尖らせた人ならざる耳朶を持った魔王。 もう一度信じてみたいと思い、私が最後まで得られなかったものを与えてくれた人。 二度と戻ることのないと諦めた、あの優しい時間。 羽の毛先から角の先までを満たす優しさに、私は思う。 この瞬間が、ずっと続けばいいのにと―――― そう思ったとき、私の目の前にあったのは、魔王の胸から滴る血の赤だった。 魔王の胸に深々と突き刺さった剣から血が吹き出ている。 私がその事実を飲み込めた時には、魔王は事切れていた。 ―――、―――! 私は魔王の名を呼ぶ。本当の名前を、魔王ではない名前を。 だがその言葉の届かぬところに魔王の死は連れ去られてしまっていた。 それでも呼び続ける私を遮るように、魔王の胸に穿たれた剣が蠢く。 血よりも紅い刀身。膨大な魔力の光。 そのあまりの禍々しさに、私はそれを魔剣だと直感で確信した。 魔剣。魔の剣。私を包む優しさを、私の嬉しさを、私の幸せを終わらせるもの。 私は魔剣を憎んだ。そしてその魔剣を使い、魔王を殺した人を許せないと思った。 刀身の先より柄へと視線を移し、憎悪と共に、私は魔剣の主を見上げる。 だが、私の憎悪はそこで途絶える。代わりに浮かぶのは疑問。 何故。どうして。なぜ。 魔王の亡骸が虚空へと散り、空いた座に仇が座る。 魔剣が魔王を貫く。その魔剣で貫く。 それは二度と覆らぬ過去にして、夢の終わり。 何度回向しても、時を止めても、変わらぬ事実。 大切なひとが、大切なひとを殺す瞬間。 どうして、ねえ、どうして――――おとうさ「ちょこちゃん、危ないッ」 アナスタシアが体当たりをするようにちょこの体を抱えて横に飛ぶと、 ちょこの立っていた場所をめがけてレーザーが駆け抜ける。 大人1人を軽く覆えるほどの極太の光条は見かけに違わぬ威力らしく、 避けたはずのアナスタシアのスカートを焦げ付かせていた。 お構いなしと続いて鋭利なカードが飛来し、その全てに付き合う余裕はなく、 アナスタシアはちょこの手を引き、乱立するブロック壁に身を隠した。 「私の一張羅が! 何千年使い古したと思ってんのよッ!!」 やっと一息をつくことができたアナスタシアは大きく息を吐いた。 それもそのはず、戦闘が再開されて以降、セッツァーとピサロはひっきりなしに魔法や飛び道具で遠距離から攻め続けているのだ。 完全にこちらの射程外であるため、彼らは交互に休み無く仕掛けてくる。 その中でも僅かに息を付けられるのは、乱立する石細工の土台のおかげだった。 いかにピサロの魔砲であろうとも、距離があるが故、一撃でこの壁を破壊することはできない。 「おねーさん、ごめんなさいなの……」 砲雷魔雨の軒先でアナスタシアの脇にいたちょこが消え入りそうな声で謝罪を口にする。 「気にしなくていいわよ。もういい加減捨てなきゃと思ってたくらいだから」 アナスタシアはちょこの頭をなでてあやそうと思ったが、自分の手のぎこちなさを感じて止めた。 ちょこの動揺は尤もなものだったからだ。恐らく、ちょこにとって世界は明確だったのだろう。 ちょこは子供だ。子供ゆえにその眼は純粋に世界を捉える。 良いものは良い。悪いものは悪い。たとえ殺意を迸らせたユーリルと対峙してさえ、 彼を可哀想なのだと思えたちょこにとって“世界”は“割り切れる”ものだったのだ。 (ちょこちゃんを騙すような人、私以外にもいるとはね……ジョウイ君) そのちょこにとって、初めての“裏切られた”感覚はどんなものだったのかは想像に絶する。 今ちょこは、大きく揺らぐ自分を立て直すのに精一杯なのだ。 レモンを丸齧りするように、アナスタシアはちょこを欺いた少年の名を口の中で噛みしめた。 「……揺らいでいるのは、ちょこちゃんだけじゃない、か」 アナスタシアはちょこの奥、他のブロックに隠れた陰を見つめる。 そう。ジョウイの裏切りの影響はちょこだけではない。 そこには、ちょこ以外にも大きく揺さぶられた者たちがいた。 「く、そ、野郎、が……誰も助けられないままここまで来て、まだ守られてんのかアキラァ……ッ!」 肩口を抑えながら荒く熱い息を吐き、アキラは虚空に罵っていた。 先ほどまで刺さっていた毒蛾のナイフは既に抜かれており、 傷口は飲み水で洗われ、アナスタシアのオリジナルパワー・リフレックスにて解毒処置は済ませてある。 とはいえ、現状の混淆された戦場ではそれが限界だった。消しきれぬ毒からか傷は熱を持ち、倦怠が抜けない。 「舐めるな、ジョウイ……手前は、手前ェは絶対に『ヒーロー』として認めねえ……ッ!!」 だが、アキラを真に焦がしていたのは毒でも傷でもなく、己が不甲斐なさであったのだろう。 超能力ジョウイに仕掛けた時何かを視たのか、アキラは自分の中に浮かぶ弱さに抗うのに必死だった。 見るからにフラフラで、頭痛と毒熱で歩くのもやっとの有様だ。だが、もう一人に比べればまだマシだった。 「……とりあえず、せめて立って歩いてくれると嬉「煩いッ! どの顔で言えるんだよアナスタシアッ!!」 膝と肘、そして額を地面につけたイスラの怒声に、アナスタシアは唇の真ん中を釣り上げて口籠った。 「来い! 来いよ紅の暴君ッ!! 僕に継承しろと言っただろうが!! そのお前が、僕を裏切るのかッ! 僕より、あいつのほうが相応しいというのかッ!?」 イスラは右手に呼びかけるが、声はなかった。 「はは、ハハハハ……そうだったんだよ……僕は、生きてちゃダメだったんだ…… 生きてても、誰かの迷惑になって足を引っ張っていくしかないんだ……ハハ、アハハハハ……!!」 その結果に、四つん這いになって蹲ったイスラは震えながら笑う。 その様にアナスタシアは言葉が出ない。どの面を下げて仕切るのかというイスラの言い分が尤もであること。 そして、誰もいない方向に土下座し、許しを乞うような今のイスラに、 アナスタシアは初めて彼と出会った時と同じ嫌悪を感じたからだった。 『ジョウイの企みを阻止する』ということが仲間のために生きて出来ることと定めていたイスラは、それを果たすことができなかった。 ましてやジョウイの企みが自分の魔剣である紅の暴君であり、それを見抜けず奪われたのだ。 “さらに生きる意味を魅せてくれたものさえ失ってしまえば”それはもはや生きる『意味』の崩壊に等しかった。 「参ったわねえ……」 アナスタシアは魔法が壁を少しずつ削っていく音を背中に聞きながら一人ごちた。 生きる世界を傷つけられたちょこ、生き方を惑うアキラ、そして生きる意味を砕かれたイスラ。 巨大な敵を団結して倒した直後、絶妙なタイミングで行われたジョウイの裏切りは彼らに深い傷痕を残していた。 いや、彼らだけではない。本音を言えば、アナスタシアもジョウイに傷つけられた一人だ。 (マリアベル……貴方は、気付いていたの?) わざと回復の手を緩めたという、ジョウイから吐き捨てられたマリアベルの死の真相。 確かに変貌後のジョウイの回復力はユーリルやマリアベルに施されたそれとは比べ物にならない。 だが、アナスタシアはその真相をうまく嚥下できずにいた。 ジョウイが一方的に延べた内容は恐らく事実なのだろう。だが、真実に僅かに足りない気がした。 壁から一本だけ飛び出た釘のような不快感を、アナスタシアはあえて放置する。 それを埋められるのはきっと直に回復を受けていたマリアベルだけだろう。 素直に親友を貶めたジョウイに対し怒りを浮かべたいという欲求がないわけではない。 だが、アナスタシアは傷つきながらもその傷を自分で開くようなことはしなかった。 「戦えるのは俺と貴女だけか、アナスタシア」 「思春期ボーイズ&ガールが軒並みノックダウンとなると是非もないわね、悪い魔法使いさん。首尾は?」 「ダメだ。カエルもゴゴも見つからない。というより、こう広域散布的に仕掛けられると探すのも労苦だ」 戻ってきたストレイボウに、アナスタシアは皮肉気に笑った。 アナスタシアとて柄も資格も無いと分かっているが、満足に行動できるのがストレイボウだけとなると、 親友の仇に逃げられても、肩に銃撃を貰っても、前のようにいじける暇すらない。 誰よりも揺らいでいた男がこの場で一番揺ぎ無いというのは皮肉だった。 石壁が降り注いだ時に一度彼らは散り散りになったが、 それをこうして何とか5人集合させたのはストレイボウの手腕と言っていい。 特にイスラは、彼が無理にでも引っ張らなければとうに死んでいただろう。 「カエルはともかく、物真似師さんは見つけたいわね」 おかげでこうやって集合し、障害物を盾に凌ぎながら残り2人を探しているが、カエルとゴゴは見つからない。 石台の雨に打たれて潰されてしまった。そう諦められるほど捜索もできていない。 「両方だ。やはり手分けをして探さないとキツいか」 ならば分散するのがベストだろう。幸いにして石台を壁にすれば移動ができないわけではない。 全員が分散すればその分的が散り、射撃密度も減ずるはずだ。 ならばなぜそうしないのか―――――――そう出来ないようになっているからだ。 「うしろーッ!」 「ッ!?」 ちょこが叫んだ瞬間、アキラが背も垂れていた壁に亀裂が走る。 亀裂は瞬時に隙間となり、間隔となり、扉となった。 切れ目一つない分厚い石は最初からそうであったかのように扉としてその中央から拓かれていく。 「――――、――――――」 「あ、ああ……ああ……ッ!!」 亀裂とともに、イスラの白い肌が増々に青褪める。 城門を開いて現れたるは“かつてヘクトルであったもの”だった。 血気廻った青髪はくすみ、肌は白磁のごとく生気を喪失している。 光彩を失った瞳と合わせ、誰もが彼を死んでいると断じるだろう。 “それがどうした”とばかりに右に握った神の斧は妖しく鳴動を続けていた。 死のうが、砕けようが、腐ろうが、生者必滅の理があろうが――戦うのだと、命以外の総てが猛っている。 「ちょい、さぁッ!!」 アキラとちょこをまとめて潰そうとした振り下ろしの一撃を、アナスタシアが聖剣で受け止める。 その瞬間、アナスタシアの踏み締めた大地に亀裂が走った。銀の腕でさえ受け止めきれない威力の結果だった。 だが、実に驚くべきは“それが左手の一撃だったということだ”。 神の斧は亡将の右手で遊んだままになっており、聖剣と打ち合っていたのは聖なるナイフだったのだ。 「ナイフに負けるとか、それでも聖剣かコラーッ!!」 アナスタシアが叫ぶが、目の前の現実こそが全てだった。 石細工の土台を一撃で破砕したのも、聖剣と拮抗しているのも、か細い左手一本のナイフなのだ。 腱の切れて使い物にならない左手を、落ちていた左手に挿げ替えた新しい左腕に、かつての聖女は押されていた。 「死んで尚あの膂力……自傷も厭わぬリミッターの解除!? それともどこかから力が供給されているのか!?」 「そーだけど……違うの……“よろこんでる”。オリから出られて、ライオンさんは、よろこんでるの」 状況を分析するストレイボウの横で、ちょこは胸の痛みを堪えるように死せる獅子の笑顔を見つめる。 喜んでいる。そう、己が民も、オスティアの領地も、リキアの未来も、何もかもを亡くしたその骸は今確かに悦んでいた。 統治、内政、外交、同盟、戦争。民の願い、人の欲、アトスの予言。 領主ヘクトルを形作っていたありとあらゆる外的要素――――それら全てがヘクトルの糧であり“同時に枷であった”。 兄ウーゼルの死により、ヘクトルは領主にならざるを得なかった。他に兄の願いを継げる者がいなかったから。 兄の死を責めるわけではない。だが、兄が生きていたのならば、ヘクトルはその力を全て武に注げたはずだ。 そうであれば、兄の統治の下、迫りくる脅威の全てを薙ぎ払う巨大な剣であれたならば。 “もういいのだ”――それは、アレが成してくれる。 その夢想は、死を超えて結実した。『楽園』を目指す『伐剣王』の導きによって。 最早迷う必要はない。この斧に注がれ続ける盾の癒しが死肉を満たす今、肉体を自壊させるほどの全力すら行使できる。 そう、全力。王のままでは出せなかった、生きて因業に囚われている限り出せなかった全力が屍に充溢する。 後はただ進めばよい。始まりの魔剣が導く終わりに向かって、只管に進軍すればよい。 立ちはだかるならば、覚悟せよ。望まぬ王座より解き放たれた獣の純粋なる暴力――――蹂躙程度で済むものかよ。 「UOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO OOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!」 狂戦士の咆哮。だが、その音色は生きていた時よりも忌み、地面に落ちる間際の果実のように熟れ爛れていた。 死体に充溢する怨念と歓喜が叫喚となって流出したこの時の声を聞けば、もはや百魔獣の王でさえ疾く自害するだろう。 そのような音を間近に受けたアナスタシアは剣をぶつけ合うことすら適わず、無理やりナイフを押し飛ばす。 その衝撃で、聖なるナイフは自壊した。聖なる加護が怨念に破られたのではなく、ただこの獣の力に耐えかねて。 だが、亡将は些事とばかりに用済みのナイフを捨て払い、自分の脇腹に刺したアサシンダガーを血脂を垂らしながら引き抜く。 この未練に満ちた自身<屍>を現世に留めているのが砕けかけた自身<天雷の斧>である以上、容易に抜くわけにはいかないのだろう。 あるいは――――こんな短刀でなくば、この悦楽を長く長く愉しめないと笑っているのか。 「みんな、アレから離れなさいッ!!」 再度打ちおろした亡将の一撃を、アナスタシアが再び切り結ぶ。 踏み込もうとする足が重い。いや、実際に重くなっている訳ではない。 眼前の障害物を両断しようとする亡将の殺意が、その巨躯から迸る熱が、ナイフの一点に荷重されているようだ。 ロードブレイザーに比べればその力の総量は劣るだろう。だが、その『密度』ならば話は変わる。 俊敏さを基とした『剣士』たる紅蓮とも『魔法使い』と思われる魔王とも違う『重騎士』の圧力。 なまじ圧倒的過ぎてジャンル違いのロードブレイザーと違う、質量感のある恐怖が足を竦ませる。 だが、アナスタシアはそれを真正面から受けざるを得なかった。 ストレイボウがちょこたちを安全圏に逃がそうとしているが、その足取りは重い。 『闘気』――領域支配<Zone of Control>。この骸が放つ狂熱を間近に受けて、足取りを保てるものなどそうはいない。 誰かが矢面に立ちその進軍を押し止めなければ、離脱もままならない。 「雌鶏が5匹。丸焼きかねえ、旦那」 「ファイラ×ファイラ――――――ファイアービームッ!!」 そして、アナスタシアが矢面に立っても彼らの離脱は難しい。 亡将から逃げようとしたアナスタシアを除く5人を、セッツァーの魔法を込めたピサロの魔砲が周囲を焼きながら襲い掛かる。 ストレイボウがシルバーファングをぶつけて相殺したことで彼らはなんとか亡将の領域から離脱したが、 構わずと再び魔弾を雨霰と降らすセッツァーたちの余裕は消えていない。 制圧射撃で行動範囲を狭めればいずれ鶏どもは解体屋に捕まる。 あとは再び巣穴から飛び出たところを狙い、削り殺していけばいいだけなのだから。 「あの遠距離攻撃を凌ぐには壁に籠るしかない。かといって足を止めたら壁ごと打ち抜かれる」 「それで逃げたらその先でまた砲撃……ループって怖いわね」 なんとか亡将を撒いたアナスタシアがストレイボウたちに合流する。 亡将との撃ち合いで開いたアナスタシアの右肩の銃創をストレイボウが微小の火力で焼いて塞ぐなか、2人は現状を憎らしげに述べた。 完全に遠距離からの攻撃を徹底するセッツァー・ピサロに、あらゆる障害を踏破し進軍するゴーストロード。 本来なら三つ巴になるべき戦局は、彼らの戦闘スタイルの合致によりストレイボウたちの一方的な劣勢となった。 生ける者全てを区別なく撃滅するゴーストロードの特性を見抜いたか、セッツァーは徹底的にゴーストロードとの距離をとっている。 こうすることで、ゴーストロードのターゲットをストレイボウたちに限定し、自分たちは安全圏から削ることができる。 ゴーストロードが使えるうちは使い尽くす。矢面に立つのはそれからで十分なのだ。 一方的にセッツァー達が亡将を利用している状況。しかし、ゴーストロードにとっても益のない話ではない。 零距離ならばともかく遠距離からの攻撃など、この骸には豆鉄砲に過ぎない。 ならばセッツァー達の攻撃によって敵の足が止まることは、お世辞にも機動力があるとは言えない亡将にとって援護以外の何物でもない。 彼ら3人は絆ではなくその性能によって、現状において最高のチームと化していたのだ。 (息苦しい……少しずつ、泥沼に沈んでるみたい……) 堪らないのはそんなチームの攻囲に晒されるアナスタシア達だ。 解毒済みではあるが体力を大きく落としたアキラ、心の支えを折られ自責に潰されたかけたイスラ。初めての『嘘』に戸惑うちょこ。 アナスタシアも血を失い、万全とはとても言えない。しかし彼女の聖剣以外では、亡将の攻撃から彼らを“守れない”。 唯一平静を保ったストレイボウも3人を避難させるので精一杯の状況。とてもではないが攻勢に転ずるには手数が足りない。 その中でひたすら乱撃突撃を繰り返させられ、バラバラの彼らは心身含め体勢を整える暇もない。 (説明できない“生きにくさ”……貴方なら、言葉にできるのかしらね) あまりに整い過ぎた戦場に、翻った魔王の黒外套を幻視しながらも、具体的に語る術を持たないアナスタシアは歯噛みした。 分かっていることは、ここままではいずれハメ殺されるということだ。 (とにかく、まずなんとか流れを変えないと――ッ!?) 焦れて守備以外に意識を割いてしまったアナスタシアを責めるように盾としていた石壁が爆発する。 爆発の威力はさしたるものではなかったが、ハメ殺しのサイクルに慣れたアナスタシアはその新しい手札に動揺を強める。 ヘクトル候に魔法は使えないはずなのに、何故。 その疑問こそがミステイクとばかりに、爆炎の向こうから現れた亡将が影縫いをアナスタシアに振りかぶる。 あわててアナスタシアが剣を打ち合わせに行くが、2手ほど遅れた聖剣は間に合わない。 (間に合わ――)「せてみせるッ!!」 必滅の一刀に交わる剣戟音。亡将の一撃を防いだのは、アナスタシア。 勇者の剣を抱いた、ローブに身を包んだ英雄だった。 時系列順で読む BACK△144-1 瓦礫の死闘-VS地獄・泥の下の宴会-NEXT▼144-3 瓦礫の死闘-VS黄龍・反撃は雷のように- 投下順で読む BACK△144-1 瓦礫の死闘-VS地獄・泥の下の宴会-NEXT▼144-3 瓦礫の死闘-VS黄龍・反撃は雷のように- 144-1 瓦礫の死闘-VS地獄・泥の下の宴会- アナスタシア 144-3 瓦礫の死闘-VS黄龍・反撃は雷のように- ちょこ ゴゴ カエル セッツァー ピサロ ストレイボウ アキラ イスラ ジョウイ ▲
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/401.html
みんないっしょに大魔王決戦-英雄への諧謔- ◆wqJoVoH16Y 「……と、言うわけだ」 乾ききった荒野。太陽だけが降り注ぐその大地の上に沈黙が訪れる。 それはアナスタシアが定めた午後3時よりも僅かに早かった。 招集をかけたストレイボウが語った内容は、彼等を召集させ、また沈黙させるのに十分だった。 「死喰い、か。俺が識ったのは、そんなデタラメな存在だったとはな……」 「グラブ・ル・ガブルの墓碑か……因果かしらね、本当」 カエルが覆面ごしにぐぐもった笑いを漏らす。 工具の最終確認をしながら、アナスタシアが表情を陰らせた。 島の遙か下、星の中心で参加者の死を喰らい目覚めの時を待つ『死喰い』。 この島での殺戮が意味するところは、その墓碑の完成だったのだ。 「ンで、死んだ奴らが液体人間みたくモグモグ混ぜられてるのを、お空から見物してやがるってのか……オディオ……ッ!」 そのおぞましさに自分が戦った隠呼大仏を想起し、そのおぞましさを怒りに変えてアキラは空を見つめる。 たとえ見えずとも触れられずとも、オディオがこの殺し合いを天覧している『空中城』がそこにある。 「ご丁寧にそこに帰還の術を用意してあるとはな。嘗めているというべきか、あるいは……」 手に持った2種のデータタブレットを弄びながら、ピサロはその存在を反芻する。 空中城の中に存在する脱出のための乗り物、『シルバード』の存在を。 バトルロワイアル開催の意味、オディオの居場所、脱出の方法。 彼等が知ること叶わなかったほぼ全てが、齎されたのだ。 だが、その表情に憂いはあっても喜びは微塵もない。 ガン、と岩に拳が打ち付けられる音が響く。 その場の全員の茫洋とした感情を束ねるようにめいっぱいに叩きつけられた左腕の先には、 歯も折らんとばかりに食いしばるイスラの鬼気めいた表情があった。 「何が、妥協してやってもいいだ……ジョウイッッッ!!!」 目尻も裂けんとばかりに見開かれたイスラの瞳が見据えるのはジョウイ=ブライトの姿だった。 そう、これらの重要な情報をもたらした最後の敵であるはずのジョウイに他ならない。 そしてこともあろうに、オディオに手を出さず脱出するならば支援するとまで提案してきたのだ。 紅の暴君に適格したのであれば、おそらく情報自体に誤りはない。 そしていくら考えてもそれらの情報を伝えること自体に、ジョウイ側にメリットが感じられない。 つまり、本気でこちらのことを慮って停戦勧告をしているのだ。 あとはこっちでうまくやるから、君たちは逃げなさいと。 (ふざけるなよ、ふざけるなよジョウイッ! ここまでのことをしておいて、今更どんな面をするっていうんだッ!?) ヘクトルの死を奪ったこと自体を責めはすまい。 だが、そこまでのことをしてしまった以上、あいつには今更聖人ぶっていいはずもない。 それはイスラがもっとも唾棄する偽善そのものだ。 (立ち位置を壊して、ふらふらして、みんなに害を振りまいて、まるで、まるで……ッ!!) なにより、その在り方が否応無く思い出させるのだ。 築いたものを自分で壊し、避けられぬと分かっていながら甘い道を求め、 それでも願ったものを止められない――――まるで、どこかの誰かのように。 しかし、それだけならばここまで胸を締め付けられることはなかっただろう。 想起されるのが魔剣使いの背中なのは、先を行かれたという思い。 嘘と笑顔で自分自身を含めてごまかした自分とは違い、どれほど苦しもうが嘘だけは吐かぬと律した伐剣者。 先を行くものに、空を見上げる余裕を得た今でさえも、イスラは苛立ちを覚えずにはいられなかった。 「で、どうするんだ、ストレイボウ。正直切って捨てるには大きすぎる弾だぞ、これは」 「……本気で言っているのか、カエル」 イスラの葛藤に気づいてか気づかぬか、カエルはその情報を持ち帰ったストレイボウに尋ねた。 ストレイボウはその真意を読み切れず、思わずそう口をついてしまう。 死喰いの存在が事実であるのならば、彼の仲間ーー魔王やルッカたちの死も喰われてしまったということだ。 それを放置したまま逃げ出すことなどできるのかと。 「逸るなよ。確かに業腹ではあるが、ここであいつらの死を解放するために死喰いに挑めば死ぬかもしれん。 それをあいつらが望むと思うか?」 「それは……」 「話を聞く限り、ジョウイもオディオも死喰いを消そうとはしていないのだろう。 ならば一度元の世界に戻り、準備を整えて死喰いに――ラヴォスに挑めばいいだろう。 それに、死喰いが完全な形で目覚めなければジョウイが負ける公算が高いのだろう? ならば時間をおけば、どう転んでもジョウイは自滅だ。おまえの望みにも叶うんじゃないか?」 最後の言葉尻に、蛙特有の嫌らしさをたっぷり乗せながら、カエルはストレイボウに問いかける。 その皮肉に、ストレイボウは顔をしかめる。否定する要素が見つからないからだ。 目先の状況だけを考えれば死喰いを倒したくもなるが、正確に言えば死喰いは死せる者達の想いを喰っているのだ。 死喰いを倒せば死者が蘇るというような話ではない。 ならば危険を冒して死に、あのルクレチアで再会するほうが死者に無礼というものだろうと。 撤退が最善と理性で分かっていながら、それを認めることができないのは、一抹の不安。 オディオ――オルステッドとジョウイがぶつかるということについて。 別れ際にジョウイは言った。自分は友に殺されたかったのだと。 親友と殺し合う、その意味を知るジョウイがオディオを終わらせると宣言した。 そんなジョウイがオルステッドが交差したとき、何が起こるのか。 (何か、見逃している気がする……) 僅かに残った引っかかり。ルッカのサイエンスを会得した今でも、それは読めなかった。 逃げることが皆にとって最善であろうとも、 ストレイボウにとって致命的な何がが起きてしまうのでは……そう考えてしまうのだ。 (あ、そういうことか……) そこまで思い至って、ストレイボウはようやくカエルの言いたいことを理解した。 皆の最善と自分自身の最善は異なる。その事実を敢えて指摘した理由はただ一つ。 “だから、お前はお前の望むように考えろ”と、不器用に教えてくれたのだ。 「……すまない、カエル」 「なんのことか分からんな」 ストレイボウの謝辞に、カエルは知らぬ顔で向こうを向き、覆面ごと頭からボトルの水をかける。 火傷まみれとはいえこの酷暑は両生類には厳しい。 「……正直、俺には理解できねえよ」 「それでいいと思うわよ。ジョウイ君は、私や貴方じゃ多分一生理解できないもので動いてるから。 私が貴方を理解できないように、貴方が私を理解できないようにね」 アキラのつぶやきに、アナスタシアは嘲るようにして言った。 はっきり言えば、わざわざ死ぬ可能性の高い方向に進もうというだけで彼等にとってはナンセンスなのだ。 ジョウイを突き動かすものは磔の聖人――――殉死、犠牲のそれに近い。 ならばそれはユーリルが囚われた勇者像であり、アナスタシアが呪った英雄観であり、 アキラが吐き捨てた間違ったヒーロー像であるからだ。 それに対してアナスタシアが皮肉を発しないのは、魔王ジャキを討つために一時はともに戦ったからか。 あるいは、たとえ異なる価値観であろうとも、否定するだけが答えではないと知ったからか。 背中から走る暖かみを覚えなから、アナスタシアは背伸びをした。 「まー何にしても首輪解除しなきゃどうにもならないでしょ。 準備できたし、そろそろ始めましょうか……どうしたの、デブ?」 「……次にその名で呼べば首を落とすぞ。おい、ストレイボウ」 ついに生者の首輪解除に取りかかろうとしたアナスタシアが、怪訝な表情を浮かべたピサロに気づく。 ピサロはそれをあしらい、ストレイボウに尋ねた。 「あの小僧は“始める”といったのか? “仕掛ける”でも“迎え撃つ”でもなく」 「あ、ああ。そうだ、確かに始めるといっていた」 その返事に、ピサロは眉間の皺をより一層に深めた。 ここまでジョウイが攻撃を仕掛けてくる兆候はいっさい無かった。 だから遺跡ダンジョンという中枢を押さえた以上、その地の利を生かした籠城を狙うものだと考えていたのだ。 (あの小僧が、あの乱戦の絵図を描いたのだとしたら――そこまで気長に待つか? あれの性根は、おそらく守勢よりも攻勢。ならば、奴はこの3時間何をしていたのだ?) ジョウイの策略の一端を知るピサロは訝しむ。 悠長にこちらを待ちかまえるような可愛げのあるものが、あそこまでの大仕掛けを打てるはずがない。 ――――出すのは早ぇし将来の後先は考えねぇ。とにかく当てることしか考えねぇ。 ――――だから普通は早々潰れるが、女神はチェリーも嫌いじゃあない。 ――――ビギナーズラックが回ったら…………一荒れくるぜ。 だから活きのいい新人<ルーキー>は性質が悪いのだと。 そのギャンブル評を思い出したとき、じゃり、と荒野を踏む音がした。 陽光燦々と輝く中、一つの陰と共に――――始まりが来訪した。 それは、まるで砂漠に立つ一本の枯れ木だった。 全身を襤褸布で覆い尽くした人間大の影。 他には何もない、ただ残ってしまったから立っていただけ。 生気は欠片もなく風さえ吹けばたちまち折れてしまいそうな、朽ちるのを待つだけの影だった。 この距離に至るまで全員がその存在に気づけなかったのも無理はなかったかもしれない。 形式的に各々戦闘の構えこそとれど、意識のギアを上げることもできなかった。 それほどまでに、目の前の存在は稀薄でこの世の存在として頼りない。 「……あの2人か? ジョウイに従った、あの」 「ヘクトルの骸を思い出せ。死せるとて存在の密度は変わらん。 あの2人も、ここまで薄くはなかった……はっきり言って、弱いぞコイツ」 怪訝に思うストレイボウに、カエルは目を細めて否定した。 亡将も、あの双将も戦士として忘れがたいほどの重みを持っていた。 だが、目の前の存在はそれに比べ何枚も格が落ちている。しかもそれがたった1人。 いったい何なのか―――― 【……ジョウイ様からの……】 そう疑問に思ったタイミングを見計らったかのように。襤褸布なかから音がする。 壊れかけた蓄音機が無理をして回転するように、ひび割れた音がボロボロこぼれる。 【ジョウイ様からの伝言を……お伝えします…………僕は、遺跡の下で待っている……】 機械じみた音律で告げられたのは、彼等の煩悶の中心に立つ人物からの伝言だった。 ジョウイ=ブライトはここにいると、高らかに宣言するためか? 否、ジョウイという男がそのためだけにメッセンジャーを用意するか? 【ジョウイ様からの伝言をお伝えします…………】 その襤褸布から手だけが現れる。誰もが息を呑んだ。 蝋のように真白い、人形の手に握られたのは魔力で形成されたであろう黒き刃。 共に戦う中で何度も見た、ジョウイ=ブライトの紋章の刃。 それが意味することは―――― 【――――始めます。賢明な判断を望みます】 「ッ!?」 その時が来たということだ。 影が、ぬるりと前進し切り込んでくる。速い。だが、神速とまではいかない。 振り抜かれた剣を受け止めたのはカエル。たとえ燃え滓の身であろうともこの程度の剣戟捌けぬほどではない。 「この振るい……剣者ではないな。 あの亡候を失って急拵えで用意したのかは知らんが、役者不足だ。 伝言が済んだのならあの双将でも呼んで――――ぬぅッ!!」 本命を喚べと言おうとしたカエルの言葉が止まる。 ぶつけ合った刀身から、毒のような痺れが走る。 迎え撃った黒い刃から、紫の雷が蛇のようにカエルにまとわりつく。 「何処の誰か知らんが……貴様如きが、クロノの真似事とは烏滸がましいッ!!」 覆面の下で憤怒の形相を浮かべたであろうカエルは、痺れが全身に達しきる前に強引に剣で弾き飛ばす。 胴を薙いだその一閃が、襤褸布の下半分を切り裂く。細い足と軍靴が露わになった。 「……ッ!?」 その一瞬“彼”は固唾を呑んだ。その動揺を表に出さぬようにするので精一杯だった。 「大丈夫かカエルッ!」 「問題ない、が。気をつけろ。あいつ雷を使うぞ。威力は大したこともないが、麻痺させてくる」 駆け寄るストレイボウを心配させまいと声を張るが、カエルの膝は筋肉を失ったかのように痺れが這いずり回る。 雷撃を刀身に纏わせる攻撃法にクロノを思い出すが、カエルは首を振って雑念を払った。 威力が頼りない分、敵の雷は麻痺性に重きを置いている。 非道に手を染めた自分ならばともかく、そのような卑近な技にクロノを想起するなどあってはならない。 「とにかく、アナスタシア、この麻痺を回復して――」 命には問題ないと、判断したストレイボウがステータス異常治癒をアナスタシアに請おうとした瞬間だった。 影は吹き飛ばされた際の土煙の中から立ち上がる。それと同時に、影の周囲に浮かんだ雷球がいくつかの蛇となって彼等に襲いかかった。 これらも威力は見た目からしてなさそうに見えるが、ユーリルの雷に比べ禍々しい――というより薄汚い毒彩は、 見るからに触れれば麻痺を付与してくると伝えている。 体力の回復はともかく、状態異常回復の術が限られる現状では食らうことは好ましくない。 「小賢しいな、その程度の雷で怯むと思ったか。害したくば地獄より持ってくるか――その薄汚い魂の全てでも懸けてみろ」 接近戦は面倒。そう判断したピサロは引き金を引いた。 込めたのは小規模のゼーハー。当然のように全力ではないが、手加減と言うよりはこの程度でも十分破壊できるという目算である。 爆ぜた魔力が弾丸となって影――影であるべき何かの頭部へと迫る。 【ジョウイ様からの伝言をお伝えします……始めます……賢明な判断を望みます……】 しかし、影はするりと回避した。そのフードの闇の向こうから、しかと弾丸の流れ・速度を『見切』って。 余った襤褸布の一部が破れ、胴が晒される。その陣羽織はボロボロであったが明らかな軍装だった。 「嘘だろ……」 彼の中にこみ上げた不安を見透かすように、その装束に刻まれた瞳が見つめてくる。 その軍装を“彼”はよく知っていた。この島でそれをつけている可能性があるのは2人だけだった。 「……あの服、どーっかで見たような……」 不思議そうに目の前の影を見つめるアナスタシア。 その視線を感じたか、どこかの軍隊に所属していたであろう影は、 黒刃を握らぬ方の手で懐をまさぐり、神速の所作で抜き放つ。 放たれるは投げ刃。黒き刃ではない、しっかりとした実体を持つ忍びの投具。 それらが意志を持ったように彼女に向かって襲いかかる。 「危ないッ!」 寸でのところで形成されたストレイボウの嵐が、壁となって刃を弾き飛ばす。 あまりに慣れた手つきに、その影が投具使いであることは疑いようもなかった。 「チマチマチマチマ……うっとおしいぜッ!!」 投具を投げた瞬間を見計らい、アキラが突貫する。その表情には明確な苛立ちがあった。 雷、麻痺、投げナイフ、ひょろい外見。何もかもがアキラの疳に障った。 とりわけ最悪なのが戦い方だ。最初に麻痺を大袈裟に見せておいて、自分の雷に触れると不味いと刷り込む。 直撃しても致命傷にはならないものを、大きく見せたのだ。 そして、遠間から雷撃と投げナイフ。自分は傷つかない位置からちまちまといたぶっていくやり口。 どんな奴かは知らないが、心を読むまでもない。アキラの世界で吐き捨てるほどいたような輩だ。 暴力を無意味にちらつかせ、有りもしない器を大きく見せ、誰かを見下さなければ自分の立ち位置も定まらない屑野郎。 ジョウイのような理解不能な存在とは違う。この拳をぶつけるのに何の衒いもない。 怒りの正拳が布の向こうの顔面に直撃する。完全なクリーンヒット。これが人間であれば鼻骨は完全に砕けていただろう。 (なんだ、これ……“気持ち悪ぃ”!!) だが、アキラの拳に伝わったのは骨の砕ける小気味良さではなかった。 まず粘性。ぶちゃぁ、とかぐちょ、とか。プリンを全力で殴ったような感覚だった。 そして、この気色悪さ。耳に舌をつっこまれたような、内股を頬ずりされたような…… とにもかくにも名状し難い不快感が蟻のように這いずり回り、殴るために込めた力が霧散していく。 ――――イヒ、イヒヒヒヒヒッッ、ゲ、レレッ、ゲレレレレッッッ!! 弛緩してしまったアキラをあざ笑うように、影は黒き刃を構えた。 自然と読心してしまった、夏場の蠅の羽音ような下卑た笑い声が脳内を満たす。 脳の皺に植えられた白い卵が、孵化する。そして眼から口から―――― 「気持ち、悪いんだよクソがァァッ!!!」 「アキラ、そいつに触れるな」 一発の銃弾が、アキラを斬らんとした黒き刃をそらした。 その瞬間を見逃さずになんとか影との『憑依』を切り離したアキラはたたらを踏んで後退する。 その手に影の襤褸布をほとんどつかんで。 「……なんでだ。なんでよりにもよってそいつなんだ……」 向けたドーリーショットの銃口からフォースの光が拡散していく。 銃を向けたまま、イスラはその影から目をそらす。 だが、もはや偽る余地はなかった。その軍服は、帝国軍海戦隊のもの。 そして、それをこの島で纏う可能性があるものは2人しかいない。 一人は、アズリア=レヴィノス。第六部隊長にして我が姉。 もしも、彼女がジョウイの外法にて蘇ったのであらば。怒りこそすれ――――“まだ救いがあっただろう”。 それならば心おきなくジョウイを憎める。 よくも、よくもと、これまでの全てを擲ってあの外道を殺戮する機械になれただろう。 「他にいただろ、もっと使える奴がさぁ……」 もはや影を纏っていた布は、頭部くらいしかなかった。 だから分かってしまう。あの装束は隊長のそれではない。というより、女性のそれではない。 一般的な、男性の軍装。そして、それを纏うものは一人しかいない。 【ひ、いひひひひッ、ギヒヒヒヒヒヒヒッ……】 「あの笑い声、あれもしかして……」 蓄音機から壊れた言葉が響く。ジョウイからの伝言ではない。 もはや言葉も紡げぬほどに奪い尽くされた死の残響。 亀裂から漏れ出すはどうしようもないほどの妄念。 そこまで来て、ようやくアナスタシアが気づく。 あの服装を知っている。なぜなら、彼女たちを一番最初に襲った奴の装束だったのだから。 その名前も知っている。確か―――― 「ビジュ、君……?」 「なァんでそいつを喚びだした、ジョウイ――――ッッッッッ!!!!」 【イヒ、イヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッッッ!!!!!】 薄汚い嘲笑と、張り裂けそうなほどのイスラの叫びが真夏のような空に響く。 それは、未来を向こうとするイスラの最大の汚点。 決して拭い落とせぬ両手の色彩だった。 何もない真っ黒で真っ白な街の中で、それは思う。 どれくらい経ったであろうか。よく分からない。 どうしてここにいるのか、なぜこうなっているのか。よく分からない。 一日のような気もするし、千年たったような気もする。が、やっぱりよく分からない。 もし、最初、があるとすれば。確かに最初は喚いた気がする。 いやだ、くわれる、たすけて、と泣き叫んだかもしれない。 だが、たぶん……そんなものは何の足しにもならなかったのだろう。 そういうものだと知っている。なぜなら、あのとき、あのとき縛られて、 殴られて、蹴られて、鞭をうたれて、眠りそうになったら水をかけられて、 口にやわらかい何かをつっこまれて“あつくてあつくてたまらないものを頬にこすりつけられた”ときに、そう知った。 この世には奪う側と奪われる側しかいない。どんなに綺麗事を言っても勝者と敗者が存在する。 だから奪ってやると決めた。奪う側に回り続ける。そうすれば何も奪われない。 そうきめた、そうきめたはずなのに。もうなにものこっていない。 だからいまも奪われた。いたみも、なげきも、どうしてと思うこころさえも。 なぜだ。なぜだ。なぜなにもない、なぜなにものこっていない。 だれかをきずつけたからか、だれかからうばったからか。 ふざけるな、ならなぜおれはうばわれた。だれもおれにあたえてはくれなかった。 だからうばったのだ、それがわるいなら、なぜおれはうばわれた。 いみがあると、かちがあると、さけんだのに。きかいのひとつさえあたえられなかった。 ――――君が役に立たないことはよく知ってるよ。 そうけっていされたからか。むかちだと、むのうだと、おまえはさいしょからだめなのだと。 ――――■は死ね♪ おまえは■だと。 うまれたじてんでそうあれかしときまっているのか。 ――――志も力もない君が生きていても迷惑なだけだよ。 ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな。 だれもそんなものくれなかった、めぐんでくれなかった。 だからうばったのだ、ちからを、かねを、おんなを。 うばうことがわるいのなら、さいしょからもってるやつだけしかだめなのか。 おれがごうもんをうけたのも、うらぎられたのも、■のまねをさせられたのもさいしょからだめだったからか。 なぜそうなったのかはもうわからない。だれがいっていたのかももうわからない。 とっくのむかしにうばわれた。このまちのおおきなものにたべられた。 いまさらとりもどしたいなんておもわない。 だけど、だけど。せめておしえてほしい。おれは、■だったのか? ――――違う。 こえが、きこえた。はっきりと、たしかなこえでそういった。 ――――干渉できたのは、あなただけか。しかも、置き去られた喰いカス。 これ以上は死喰いを刺激する……とてもじゃないが、他の人たちは無理だな。 なんだ、おまえはだれだ。いや、そんなことはどうでもいい。 おれはなんだ。■じゃないのか。 ――――■と言われたのか。あの男以外に、そんなことをいう奴がいたのか。 なら答えよう。違う。貴方は人間だ。 ならばなぜおれはこうなった。 なにもできず、なにものこせず、みすてられ、まけた。 しんだらおわりではないのか。むかちなのではないのか。 ――――それでも、貴方の生に意味は確かにあった。“そうでなくてはならない”。 貴方もまた犠牲であり、その敗北<いのち>が無価値などとは認めない。 だが、おれはひつようとされなかった。つかわれなかった。やくにたたなかった。 うばうことしかしらない、よわいものをたたくしかできないおれは。 ――――ならば僕が貴方を必要とする。オスティア候の穴を埋めよう。 どれほどに非道であろうと、どれほどに弱かろうと、そんな理由で拒むような世界は楽園などではない。 それでもいいのなら。■でなくなれるのならなんでもいい。 みじめでもくそでもいい、ただおれは、おれさまは――――■のままおわれない! ――――誓約を結ぶ。残滓と言えどこれで貴方の死は僕のものだ。もう何処にも行けはしない。 だが、その犠牲<そうしつ>に意味を与える。“絶対に、僕は貴方を忘れない”。 そのてがおれをつかむ。こうしておれはうばわれた。 そのてはつめたくていたくておぞましかったが、ふれられないよりはよほどましだ。 だって、だれもてをさしのべてはくれなかったのだから。 【イヒ、イヒヒヒ……ジョウイ様からの伝言を伝えます…… 安心してほしい、イスラ。“君が彼に何をしたのか”を一々喧伝するつもりはない】 フードの中でぐぐもった笑いを浮かべる影――ビジュであろうものが再び投具を構えながらイスラに声をかける。 イスラはその声に、背中を震わせた。蓄音機越しの言葉で、感情も乗っていないのに、 自分が敵意を向ける人物が、どんな思いでそう言っているのかが分かってしまう。 敵意ではない――――失望だ。 漏らしたおしめを隠していることを一々言いふらすほど子供ではない。そんな値すらお前にはないと。 その失意に、イスラの心が砕けかける。褒められた、撫でてくれた感触さえ霧散しかけてしまう。 自分に価値があったと思ったことなどついさっきまで無かったのだ。 敵と思った相手に、敵とすら認められないことが、ここまでのダメージであるなどと知らなかった。 初めての体験に、イスラは膝を落としてしまう。それを十字架は見つめ続けていた。 その表情は洋として知れないが、影から漏れ出す嘲笑が全てを物語っている。 どんな気分だ、胴を解体して首を落として海に投げ捨てた奴が舞い戻ってくるのはどんな気分だと、そう言われている気がした。 価値がないと言われることがどれほどつらいかわかるかと。 「あ、ああ……!!」 「イスラ、おい、しっかりしろッ!!」 その事情を知らないストレイボウが声をかけるが、イスラの耳には嘲笑がこびりついて届かない。 変われると思った。そう信じられた。 だが……どうしても変わらないものがある。それこそが死だ。 生きていれば変えられる。だが、死はもう変えられない。 だから忘れた、都合のいい思い出で満たして、都合の悪いものを忘れようとした。 だが、決して死は変わらない。敗者は戻らない。 殺してしまえばそれで終わり――――その十字架は一生消えはしない。 【ジョウイ様からの伝言を伝えます……代わりと言っては何だが、彼は僕が奪わせてもらう。いらないのなら、異存はないだろう】 自分が捨てたものに捨てられるがいい、と言うように、投具がイスラに向かって放たれる。 銃で打ち落とそうとイスラは構えるが、視界が鈍る。見たくない、見せるなと標的を定められない。 だが、眼を背けようが聞かせてやろうと、そう示すかのように、十字架は彼岸の音楽を奏で続けている。 無意味にさせぬ、忘れさせないと――――ジョウイがそう呪っているかのように。 イスラに当たるべき刃は、しかし、一陣の風が吹き飛ばす。 影狼ルシエドの突進は、ただそれだけで風を生み、イスラを守ったのだ。 「はいはーい、そこまでー。見ないうちにずいぶんサドっ気があがったんじゃない?」 軽々とした声を響かせるのは、アナスタシア=ルン=ヴァレリア。 その背後には清浄なる波動を受けて麻痺を和らげているカエルがいた。 「貰うだとか奪うとか……おねーさんちょーっと失望しちゃったかな。 ジョウイ君、そういうこという子だったんだ、って」 ルシエドまで使って前にでてしまったことを、少し後悔する。 なんとなく、であるが、最初に出会って情報を交換したときに気づいてしまっていた。 イスラ=レヴィノスはあの時点で既に手を血に染めていたことを。 それは情報の違和感であり、腐臭漂う後ろめたさであり、漠然でありながら確信するのに十分だった。 だから、この状況にある程度の納得を感じていた。 どんな風に殺したかは知らないが、イスラがこうなってしまうレヴェルのことをしたのだろう。 だが、アナスタシアは何故か口を出さずにはいられなかった。 聖剣を握る手を震わせるのは確かな怒り。 人をモノのように扱ったことか。人のトラウマを抉る真似をしたことか。 違うな、とアナスタシアは思った。アナスタシア=ルン=ヴァレリアはそんな聖人めいた理由で怒らない。 イスラなど関係ない。ただ猛烈なまでの喪失感。大切な所有物が穢されたのだという感覚。 「死んだ人まで蘇らせておいて、何が理想よ。死んだら帰ってこない、帰ってこないのよ。 そんなに叶えたければ、生きた自分の手でつかみ取りなさいッ!!」 聖剣を突きつけ、アナスタシアは吠える。 それは人形を操るジョウイに向かって、というより自分自身に言い聞かせるようだった。 蘇ってはならない。もう帰ってこない。失ったらもう帰ってこない。 その喪失を超えて幸せを掴もうとしている彼女にとって、目の前の存在は毒の蜜だった。 うらやましい、と内側で響く声を押さえつけるように、彼女は自分を奮い立たせたのだ。 【イヒ、イヒヒヒ、ギヒギ、ゲベ、ゲゲゲゲゲ】 だが、それだけは言ってはならなかった。 ビジュであろう影の中から走る嘲笑が変化する。それは嘆きだった。 なぜダメなのだと、一方的に壊され、為す術なく奪われたのは自分たちのせいではないのに。 【ゲ、ゲレ、ジョウイ、レ、様からの、ゲレ、伝言をお伝えします…… 蘇らせることは、ゲ、できません。彼の死はもうほとんど喰われていて、 モルフ1つ構成できるほどの残っていなかった。だから――“補いました”】 残った頭部の襤褸布がずるりと落ちる。 ならば刮目しろ馬の骨、お前が何を救って、何を救わなかったか。 お前が何を断じてしまったのかを。 【散った想いの、ゲレレ、破片を集め、レンッ、ガーディアンの、ゲレッ命にて形と為した。 ゲレッ、ロザリー姫を再構成した貴女と同じです、レレン、アナスタシア=ルン=ヴァレリア―――ゲレレレレレレッ!!!】 その場に全員の表情が凍り付く。イスラとアナスタシアはそれを知っていた。 金の眼、白磁のような肌、漆黒の髪はことなれど、それは確かにビジュの顔だった。 だがそれは“半分”だけだった。アンパンをむしって開けたようにその顔は“虫食い”で、 代わりにそこにあったのは、饅頭のような何か。 霊界サプレスの召喚獣タケシー、道化にエサと喰われ、 死喰いに二度喰われ、参加者でなかった故に半端に喰い捨てられた亡魂だった。 右半分左半分などという規則的なものではない、 福笑いをまじめにやってしまったかのようにその破片がちぐはぐに乱雑にくっついている。 その糊の役割を果たすかのように、接合面からは泥が、生命そのものたるグラブルガブルの泥が垂れ流しになっている。 涙のように汚物のように血のように、ただただ零れている。 分かたれた召喚師と召喚獣は、死してなお共にあることができたのだ。 そう言えば美談になるかもしれない。このような形でなければ。 だが、そう言うには目の前の人形は余りに醜悪に過ぎた。死者の尊厳を蹂躙してすりつぶしてもこうはなるまい。 そんなものを創った奴に、同類だと言われたアナスタシアの胸中はあらゆる想像を絶していた。 あの愛に包まれた世界で起こした愛するもの達の逢瀬の奇跡、それがこれと同じだと言われれば無理もない。 違う、と口をつきたかった。だが、影の向こう側で魔剣を掴むジョウイの姿を想像して噤んでしまう。 ジョウイの魔剣もアナスタシアの聖剣も、本質は同じ感応兵器――想いを力と変える剣だ。 アナスタシアは届かぬ想いを形に変えて、ジョウイは幽けき嘆きを形に変えた。 自分ではできないから死者に縋ったのだ。そこに本質的な違いはない。 この島には、未練など、叶わなかったことなど星の数ある。 その中からアナスタシアは選んだのだ。救えなかったものを選んだのだ。 きれいなものをえらんで、きたないものをすてたのだ。 かっこよくありたいと願っておきながら、馬の骨だと自分を認めてしまった。 ならばいずれ、選んでしまうのではないか。理想の楽園を、失わないものを。 次元を超えるアガートラームを以て、未来に待つ餓えを満たすために、過去<うしなったもの>を喚ぶのではないか。 【ゲレ、イヒッ、ゲヒヒヒヒヒヒヒッ!!!!】 「ッ!!」 その逡巡が致命的な遅れを呼ぶ。吹き飛んだ投具はまだ死んではいない。 タケシーの招雷能力を得たビジュですらないものは、その雷を吹き飛んだ投具に吹き込む。 雷の力で生まれた磁力が、散った刃に再び殺傷能力を吹き込んで、アナスタシアを狙う。 死にはしないだろう。だが、もし手に怪我を覆うものならば、もう首輪の解除は出来はしまい。 弱く、しかし確実に急所を狙った見事なまでに最悪の一撃。 「……フン、だからどうした」 だが、それは再び吹き荒れた風によって阻まれた。 ハイヴォルテックの一撃が、アナスタシアに迫る投具を全てはたき落とす。 「……ピサロ……」 アナスタシアは己の側に立ったピサロを見上げる。 常と変わらぬ傲岸不遜な表情に、なにを言えばいいのか。 「なにを迷う。お前は――――」 「――――ピサロ、後ろだッ!!」 だが、その逡巡はストレイボウの叫び声と、ピサロの背後から飛びかかる汚物の存在でかき消された。 遅れて気づいたピサロが、振り向きざまに銃剣を振り抜く。 ぐしゃ、と蠅が潰れるような音と腐汁のような泥をまき散らして人形の脇腹に深々と刃がめり込む。 「仮にも魔王を名乗るなら詰まらん細工はするな。こんな人形一つで覆る戦況ではないことは分かっているだろう。何が狙いだ」 ピサロは淡々と人形の主に問いかける。玉座を降りたとはいえ、その威容は何も損なわれてはいない。 その問いは至極当たり前のものだった。確かにこの駒ならばイスラとアナスタシアの精神を削ることはできるかもしれない。 だが、それまでだ。そんな相性を剥いでしまえば、ただのゴミで創った工作物に過ぎない。 尊厳だとかそういうものは差し置いて――この場を動かす駒としては圧倒的に不足している。 【ゲヒ、ゲヒヒヒ……ジョウイ、様、からの……伝言をお伝えします…… 無駄なものなど一つもない。彼は役割を果たしています。貴方からそれを拝領するために】 「!!」 その時だった。虚空に闇が集い、一本の黒き刃が射出される。 それはピサロと人形の間を過たずに貫き、その僅かな隙をついて人形はピサロから距離を置く。 その一撃は紛れもないジョウイの紋章術。ならば近くに潜んでいるのか。 いや、そもそも今の一撃ならば動けぬピサロを討つ絶好の好機ではなかったのか。 ならば、なぜ人形を助けるために――――否、そうではない。 この敵は、真っ当な論理で動いていない。 飛び退いた敵を見据えたピサロは、そのものが何かを握っているのをみた。 この戦場に不似合いな可愛らしい赤色の傘。ついで、自分の得物が僅かに軽くなったことを知覚する。 人形が持っていたのは、彼が狙っていたのは――銃剣に内蔵されたそのパラソルだった。 「ジョウイ様からの伝言をお伝えします……クレストグラフは貴方たちにも必要でしょうから妥協します。 ですが、これだけは……“巻き込みたくなかった”。だから……」 その一言だけは、不思議な感情が込められている気がした。 その意味を理解できるものはここには誰もいない。 ただ、分かるのは――ジョウイが今から始めようとしていることは、それを巻き込むことであったということだ。 「――――――これでようやく、布陣できる」 その一言と共に、地面が震え上がった。精神的なものではない“物理的に大地が鳴動している”。 「ルシエド、アナスタシアを乗せろ! 絶対に傷つけさせるな!! 残ったアイテムを拾えみんな! 仕掛けてくるぞッ!!」 「え、ちょっ」 ストレイボウの叫びに応じ、ルシエドがアナスタシアに有無をいわさず自身の背に乗せる。 何が起こるかなど分からない。だからこそ、絶対に首輪解除の要を傷つけさせるわけには行かない。 いつからだったか、眼下に広がる領地がやせ衰えたのは。 最初からだったか、大地より恵みが消え果たのは。 雲一つ無き蒼空に燦然と輝く太陽は砂を灼く。 広がり行く砂海は星を侵す症候群か。 照り続ける太陽は砂食みに沈めという裁きの光か。 「何が起きてやがる……!?」 「これは、真逆……ならこの異常な暑さは、その結果かッ!?」 何とか転ぶことだけを避けながら、異常に戸惑うアキラの横で、カエルがある可能性に気づく。 考えてみれば、ここまで昨日は暑くはなかった。 もし天候を操作するのであれば、オディオはそう宣言しているのだろう。 ではないとすれば、誰かがコレを操作している。 誰がしている――――決まっている。 何のため――――具体的には分からないがそれ以外にはない。 そんなことが本当にできるか――――理論上出来る。魔剣に触れたカエルには直感的に理解できてしまう。 それがどうした。 裁きの光よ来るがよい。 百度来たれど、百に意を加えて蘇ろう。 千度砂喰まれようと、千と銃を携えて舞い戻ろう。 たとえ土地に恵みがなくとも、我らには熱がある。 国を愛する心の熱が、鉄を鋳する窯の熱が。 我らは自然(おまえ)になど屈しない。 ここは人の世界。自然に打克てし技術の機界。 おお、讃えよ、王の名を冠せし、砂に輝く機械の城を。 震えが、どんどんと大きく――――近づいていく。 怒りのように、嘆きのように、狂うように。 小さな声が集い、淀み、大流になるように。 だが、双玉座に二度と兄弟が座ることは二度とない。 歯車に流れるは愚か者どもの流血のみ。 口惜しや、水が枯れども途絶えぬ血脈はここに潰えた。 慙愧に耐えぬ。玉無き王城に何の意味があらん。 国王を殺した人間(おまえ)を許さない。 玉座を穢した世界(おまえ)を許しはしない。 世界よ我らと共に震えて沈め、しかる後その上に楽園は建てられる。 ここは死の世界。恵みも人も無く歯車だけが回り続ける鋼の骸。 おお、畏れよ、お前達が滅ぼした、鉄と蒸気の墓碑銘を。 「そういうことかよ、ジョウイ……成る気か、お前……」 目の前の乾ききった大地がせり上がり、ひび割れていく。 その力の名前をイスラは知っている。 狂える怨嗟を束ね、共界線を繋ぎ、力と変えるもの。 「核識に……この島の主にッ!!」 其は島の意志――――狂える核識<ディエルゴ>の魔力。 争う者たちよ、この城を穢す者たちよ。我が歴史を終わらせし者たちよ。 一人残らず、この黄金の大海原にダイブするがいい!! 吠え叫ぶイスラ達の前にそれは現れる。 地質を変えて、水脈を操作し、ここまで通る道を造ったとはいえ、本来は砂漠航行用。 しかも一度遺跡にまで動かされている以上、2度の無茶な潜行によって外装も駆動部も少なくない損傷を負っている。 【ゲヒ、ゲヒヒヒヒ……ジョウイ様からの伝言をお伝えします…… 最後のデータタブレットは城に置いた。欲しければご自由に……ゲヒヒヒ、ヒヒヒッ!!】 取れるものならな、と嘲笑う声と共に、 悲鳴のような自壊音を奏でながら城は側面をアナスタシアたちに向ける。 地中潜行時には城内へ収納されるべき、空中回廊が向けられる。 それがどうした。 そんな痛みなど、血を、世界を失ったことに比ぶれば無に等しいとばかりに、 叫ぶように歯車が回転し――――左回廊が、復旧<とば>された。 ミスティック――――キャッスル・オブ・フィガロ その崩れかけた左腕に血を纏いながら、亡城は嘆き続ける。 其は、その世界の最後の残滓。“敗者にすらなれなかった”残骸である。 時系列順で読む BACK△159-1 みんないっしょに大魔王決戦-魔王への序曲-NEXT▼159-3 みんないっしょに大魔王決戦-勇者への終曲- 投下順で読む BACK△159-1 みんないっしょに大魔王決戦-魔王への序曲-NEXT▼159-3 みんないっしょに大魔王決戦-勇者への終曲- 159-1 みんないっしょに大魔王決戦-魔王への序曲- アナスタシア 159-3 みんないっしょに大魔王決戦-勇者への終曲- イスラ アキラ ピサロ カエル ストレイボウ ジョウイ オディオ ▲
https://w.atwiki.jp/gods/pages/97157.html
アナスタシアヴァシリエヴナ(アナスタシア・ヴァシリエヴナ) ノヴゴロド公国の君主の系譜に登場する人物。 関連: アレクサンドラスオレルカ (アレクサンドラス・オレルカ、夫) ミカイラスオレリカイティス (ミカイラス・オレリカイティス、息子)
https://w.atwiki.jp/dqmb/pages/681.html
1ターン目は冷酷な剣技。2ターン目は煉獄魔斬か暗黒の闘気。3ターン目はいてつくはどうかジゴスパーク、4ターン目は冷酷な剣技か煉獄魔斬。5ターン目はいてつくはどう確認。 -- (勇者しゃま) 2010-04-09 21 27 10 1T 神速の剣技、2T 煉獄魔斬、4T 煉獄魔斬、5T ジゴスパーク -- (名無しさん) 2010-04-09 21 34 02 つばぜあいがかなり強い。緑だとかなり競り負ける -- (名無しさん) 2010-04-09 22 07 33 ドラゴラムで587ダメージ。ギガソードよりこっちだね -- (名無しさん) 2010-04-09 22 26 04 メタルハンターをドラゴンオーブMDSでも冷酷な剣技は300越える。ちなみに爆発攻撃はコメなしで、ナイトリッチのドルマ、ナイトメアソードはどちらも効いていないアナウンスから、暗黒全般は耐性決定 -- (勇者しゃま) 2010-04-09 22 31 04 最終ターンで暗黒の闘気確認 -- (名無し) 2010-04-10 08 43 22 最終ターンの冷酷な嫌疑 -- (伝説のしょぼ) 2010-04-10 09 24 49 29997ダメージですね」」 -- (伝説のしょぼ) 2010-04-10 09 25 13 嫌疑ではなく剣技 -- (伝説のしょぼ) 2010-04-10 09 25 40 とどめ無しでも倒せますスラリガルでもたおせました -- (キングロト) 2010-04-10 17 34 09 ドラゴンの杖をMgWSしたマジカルメイス(賢者Lv99)でヒャダルコしたら613ダメージw -- (名無しさん) 2010-04-10 17 38 58 6ターン使うわざは暗黒の闘気と神速の剣技です -- (キングロト) 2010-04-10 18 03 13 ↑最終ターンにテンション上げても意味ないよね…。 -- (名無しさん) 2010-04-10 20 02 05 バラモスよりとどめ打たずにダメージ勝ちするのは、簡単そうですね。弱点もかなり多いし。 -- (御免ライダー) 2010-04-10 20 48 14 この設定明らかに原作のピサロをばかにしてる。なにこの弱さ。 -- (海馬) 2010-04-11 09 14 54 HPはつよいけどこれじゃゲマ以下 -- (名無しさん) 2010-04-11 17 29 22 使う属性は暗黒・雷・打撃しかない耐性がつよければ有利に -- (名無しさん) 2010-04-11 17 31 14 マシン系は無理か〜。この先も真なら雷あるし -- (勇者しゃま) 2010-04-11 22 39 37 でも打撃耐性があるからダメージはふつう -- (名無しさん) 2010-04-12 06 59 01 弱点が多く状態異常攻撃もない、しかも今までの7章と違い単独での登場。この後に控えるデスピサロもモンバトⅡ初期の大魔王故かお世辞にも強い方ではない。ただだからこそ経験値稼ぎではお世話になることも多いありがたい存在になる。 -- (名無しさん) 2010-04-12 07 52 47 このステータスって昔VJとかに載ってたものなん?だとしても、異常に低すぎやしないか?これじゃ力以外並みのモンスター程度だぜ -- (名無しさん) 2010-04-12 17 08 21 さばきの杖(ドラゴンの杖マジックダブルスキャン)のバギマで600ほどのダメージ -- (名無しさん) 2010-04-12 17 35 36 秘法使ってるから4ターン目で満タンになる、4ターン目にいてつくはどうを使わないので楽勝 -- (名無しさん) 2010-04-12 20 56 38 なぜお供がいないんだレジェクエ1から3の7ステージがめんどくさかったからかな -- (ないん) 2010-04-13 07 17 09 ターン6のところ暗黒の闘気がいてつく波動の効果になってる -- (破壊神シドー) 2010-04-13 21 50 09 こいつはつばぜりあいがすごい強い -- (名無しさん) 2010-04-15 19 49 35 ↑同感です。赤目デスピサロを討伐したく、魔王戦から始めるを何度もやっているのですが、つばぜりあいで負けてしまうつばぜりあいをしなくても(負けても)倒せる方法ありますか。天空の3神器でいてつくはどう連発すればいけるかな。 -- (名無しさん) 2010-04-15 21 16 20 ↑いやこっちもいてつくをやっても相手は溜まるスピードが早いので逆に不利すぎる。 方法は恐らくモンマスor魔物使いでやるか会心の出やすいモンスをいれて会心にかけるしか方法はないかもしれない。 -- (???) 2010-04-15 23 33 44 ↑1〜3こちらは進化の秘宝を使えば、技選択で100と ヒット時に勇気の元?(球状でスロットルひねれば勇気がたまるアレ)を4つ出せば4ターンで溜まって、ピサロも4ターンで溜まるので、とどめ撃ちのつばぜり合いを撃つのもいいかと。僕はいつもそれで勝利してます -- (勇者しゃま) 2010-04-17 00 55 58 それだと3ターン目に凍てつく波動されたら溜まりきらないんじゃ -- (名無しさん) 2010-04-18 02 17 39 つばぜりあい緑でも勝ったんだけど。 -- (名無しさん) 2010-04-18 08 22 22 今更ながらも弱点が変わっているようですね。炎、爆発、光属性の攻撃を行ったところアナウンス無しです。暗黒・雷に強いのは相変わらずですが氷には弱い模様。戦士相性補正のダッシュランの冷たい息で350ダメージ確認です。 -- (とぅぇぇぇ) 2010-04-19 16 23 02 光呪文でもアナウンス無しですしダメージも普通でした、おそらく弱点ではないと思います。 -- (名無しさん) 2010-04-20 17 06 11 弱点じゃなくてもダメージは与えやすい。↑4 まぁ3ターン目までに2回ミスすれば仕方なしにつばぜり合いするしかないけど、自分は賢者(マジカルメイス)、デスゴーゴン(ジゴフラッシュ)、ダースドラゴンで攻めてます。↑3 すごいですね -- (勇者しゃま) 2010-04-22 00 55 30 魔法使いで、マジカルメイス、まどうしのローブ、勇者の盾、だいまどう、きとうしでLV1でも倒せる。このチームはクリア後のループで使える。 -- (名無し) 2010-04-23 12 55 04 ↑ピサロはともかくデスピサロはちから高いし殆どが特技攻め。全体的にみのまもり低いけれど大丈夫でしょうか?聖女装備してモンスターのみのまもり固めてれば大した相手ではないですが。 -- (名無しさん) 2010-04-25 21 36 44 つばぜりあい強すぎ。緑でMAX2回やったが、どちらも負けた。 -- (トマト) 2010-04-25 21 46 27 ↑黄色MAXでも競り負ける事多いからね~。ちなみに緑MAXのところがゼロで、そこより左はマイナスだからね。黄色は目押しでも簡単にプラス側で止められるようになるから、これを機に練習してみては? -- (名無しさん) 2010-04-26 15 28 29 進化の秘法使い、天空の三神器で毎ターンいてつくはどうをしたら、相手の魔力溜まりきらずに、とどめ撃てた。 -- (天空) 2010-04-26 17 22 33 ↑2 ありがとうございます。次から黄色か、赤でやってみます。 -- (トマト) 2010-04-26 18 06 53 ピサロの技はパラメータの割に低いどうやらスタッフが鍔ぜり合いだけを強くしたようですねSPは道場するならやっぱりドラゴラムがいいですよ。 -- (レクサール) 2010-04-26 18 37 37 ↑6最初のうちはどちらもギリギリ討伐できる。真の方はちょっと難しいが。 -- (名無し) 2010-04-27 08 59 51 賢者 さばきのつえMgWSドラゴンの杖でバギマで600ダメージ、お供はキラーパンサーとしにがみきぞくで。つばぜり合い前に勝てる -- (名無しさん) 2010-04-27 10 16 36 こいつの状態異常耐性「強い」にメダパニーマがなかったけど普通に効くの? -- (名無しさん) 2010-04-28 20 09 33 さほど苦戦しないと言うよりこいつそのものが弱すぎる鍔ぜり合いは別としてだが••• -- (レクサール) 2010-05-12 00 01 00 バトマスのレベルが高ければつばぜり合いにさえ勝てればカード一切なしでも勝てる相手。実際に暇つぶしに何回かやってみたら勝てた。逆につばぜり合いに負けるととどめをくらって負ける -- (名無しさん) 2010-05-14 20 20 27 こいつ、鍔競り合い弱いよ? -- (名無しさん) 2010-06-02 00 28 06 そうですよね、でもやっぱり負けると怖いので一応本気でやった方が良いと思います -- (レジェンド魔王マスター) 2010-06-10 17 25 08 身の守り95のせいか打撃攻撃がさほど効かないような。メタハンのCODE:41(打撃・爆発)でも302ダメくらい。ふつうなら最低でも330くらい喰らってくれるもんだとおもうんだが。 -- (ヤングコーン) 2010-07-16 20 31 32 ↑王者の剣技で313喰らったのでやっぱ身の守りのせいでした。てことは、レジェンドピサロの爆発弱点はちょっとって事でしょうか。 -- (ヤングコーン) 2010-07-17 16 05 45 ビクトリーのレジェンド4ピサロの行動パターン。1ターン目暗黒の闘気or神速の剣技、2ターン目冷酷な剣技or煉獄魔斬、3ターン目ジゴスパークorいてつくはどう、4ターン目冷酷な剣技or煉獄魔斬、5ターン目ジゴスパークor神速の剣技、最終ターン冷酷な剣技or煉獄魔斬。進化の秘宝使うので、3ターンで溜まるのに、それを邪魔するようにいてつくはどうがあるので、つばぜり合いをしなければならない機会が多い。 -- (勇者しゃま) 2010-09-22 16 25 46
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/216.html
Throwing into the banquet ◆SERENA/7ps 「ジャファル! 放して! あたしを放してよ!」 荷物を背負ったジャファルは、いつもの俊敏さが見られない。 しかも、背負った荷物は暴れるものだから尚更だ。 安全だと思われる距離まで離れて、ジャファルはニノを下ろした。 ジャファルが自分の言うことを聞いてくれたのかと安心したニノは、元の場所に戻ろうとする。 しかし、ジャファルはニノの腹に当身を喰らわせて意識を奪い取った。 不意の一撃に、ニノは予測も反応もできないまま気絶した。 そのまま倒れそうになるニノを、ジャファルはまた担ぐ。 これでいい。 ニノには悪いが、これで運びやすくなった。 ニノには、安全なところで目を覚ましてもらうことにする。 その際、ニノからどんな文句や弾劾の言葉が出ようと、ジャファルは甘んじて受け入れよう。 そう思ったとき、ジャファルは何者かの体当たりを受けていた。 重量のある一撃を受けて吹き飛ばされるが、ジャファルは空中で綺麗に体を一回転させると、足から地に着地する。 懐からダガーを抜き出す。 そこにいたのは、かつてわずかな時間だけを過ごした人物――ヘクトル。 「オスティア候弟……」 「もう候弟じゃねえ。 オスティア候だ」 鋭い瞳で睨み付けるヘクトル。 再会して懐かしさのあまり談笑、とはいかない。 お互い、完全に相手を敵と認識している。 さらに、先刻ジャファルが仕留めそこなったリンが気絶したニノの体を起こしていた。 「おいジャファル。 お前、リンを襲ったか?」 「……」 肯定も否定もしない。 無表情で、ジャファルはいつヘクトルに攻撃するか探る。 ヘクトルは、それを肯定と受け取った。 ゼブラアックスを構えたヘクトルは、隙を見せないように畳み掛けた。 「ニノのためだな? こんなことやってんのは……」 「……そうだ」 これだ。 黙して語らずを地で行く男が、唯一饒舌になるのがニノ関連の時だった。 ヘクトルはゼブラアックスを思い切り地面に叩きつけ、怒りを露わにする。 あまりの勢いに、地面が少し揺れたのをリンは感じた。 「ニノは……こんなことして喜ぶ奴じゃねえだろうがっ!!」 「……」 ヘクトルの怒りを、無表情で受け流すジャファル。 そんなこと、ジャファルは百も承知だ。 ニノがそんなことを嫌っているのは、誰よりもジャファルが知っている。 だが、それがどうしたというのだ。 「覚えてるかジャファル……? エリウッドの信頼を裏切るなって言ったこと」 かつて、ネルガルの殺人道具に過ぎなかった時からニノを守るという使命を得たとき。 ジャファルはヘクトルから釘を差された。 レイラを初めとした、ヘクトルの多くの仲間をジャファルは殺している。 それが許されたのは、当時のジャファルはネルガルの意のままに動く道具でしかなかったこと。 ニノのために、改心すると誓ったからだ。 だから、エリウッドはジャファルを許せと、ヘクトルに言った。 ヘクトルも、ジャファルにレイラを殺された恨みがあるのに、とりあえず許した。 そう、ジャファルを許したのは、ジャファルがニノのために改心すると誓ったからだ。 「てめえは……てめえを許したエリウッドと、レイラを殺された俺とマシューの、そして……何よりニノの信頼を裏切った!!」 叩きつけられる言葉に、ジャファルの表情が少し揺らいだ。 「あの女の人……ジャファルの仲間じゃなかったの!?」 「必要なくなったから殺した。 それだけだ」 リンはシンシアが襲われる瞬間を目撃したわけではない。 ただ、仲間だったはずの血まみれの女を見捨てたことに対して、リンは怒った。 ジャファルは、それに対してもまるで興味がないように言い捨てた。 これ以上の問答は無用だと判断したジャファルは、影縫いも取り出し二つの短刀を構え、ヘクトルにあることを言う。 「俺は……フロリーナを殺した」 実際は違うが、事実とそう変わりはない。 シンシアがフロリーナを殺す瞬間を眉ひとつ動かさずに見ていた。 ニノの友達であり、リンの親友であり、ヘクトルの恋人であるを死を告げる。 リンの襲撃に加えて、フロリーナの殺害を認められたことに対して、ヘクトルは烈火のごとく怒った。 リンも、信じられないと絶句した。 それでいい。 言葉は無用だ。 これから先、かわすのは刃だけでいい。 「来い、オスティア候。 俺はお前を殺す理由がある。 お前は俺を殺す理由がある。 必要なのはそれだけだ」 平和。 自由。 正しさ。 そんなもの、ジャファルはいらなかった。 ニノだけが、ジャファルの望む全てだった。 あの真っ直ぐで純真なニノの眼差しが閉じられることだけは、なんとしても避けたかった。 ジャファルに幸せというものが与えられるのなら、ニノにすべてを与えよう。 ニノの隣でニノに幸せを与える存在、それはジャファルでなくてもいい。 ニノを大切にしてくれるのなら、それは誰でもいいのだ。 ジャファルは、光を掴んだはずだった。 だが、その光を、ジャファルは手放した。 ジャファルはもう一度闇になり、ニノという光を守る。 ヘクトルが走り出すのと、ジャファルが姿を消して闇に紛れたのは、同時のことだった。 雨が。 四人の髪を濡らしていた。 【C-7西側の橋より少し西 一日目 夕方】 【リン(リンディス)@ファイアーエムブレム 烈火の剣】 [状態] 左目失明、心臓付近に背後からの刺し傷、全身に裂傷、疲労(大) [装備] マーニ・カティ@ファイアーエムブレム 烈火の剣、拡声器(現実) [道具] 毒蛾のナイフ@ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち、フレイムトライデント@アーク・ザ・ラッドⅡ、 デスイリュージョン@アークザラッドⅡ、天使ロティエル@サモンナイト3 [思考] 基本 打倒オディオ 1:ニノを起こす。 2:殺人を止める、静止できない場合は斬る事も辞さない。 3:白い女性(アティ)が気になる。もう一度会い、話をしたい。 [備考] ※終章後参戦 ※ワレス(ロワ未参加) 支援A 【ニノ@ファイアーエムブレム 烈火の剣】 [状態]:疲労(中)、気絶 [装備]:クレストグラフ(ロザリーと合わせて5枚)@WA2、導きの指輪@FE烈火の剣、 [道具]:フォルブレイズ@FE烈火、基本支給品一式 [思考] 基本:全員で生き残る。 1:気絶。 2:仲間との合流。 3:サンダウン、ロザリー、シュウ、マリアベルの仲間を捜す。 4:フォルブレイズの理を読み進めたい。 5:ジャファルを止めたい。 6:マリアベルたちのところに戻りたい。 [備考]: ※支援レベル フロリーナC、ジャファルA 、エルクC ※終章後より参戦 ※メラを習得しています。 ※クレストグラフの魔法はヴォルテック、クイック、ゼーバーは確定しています。他は不明ですが、ヒール、ハイヒールはありません。 【ヘクトル@ファイアーエムブレム 烈火の剣】 [状態]:全身打撲(小程度)、疲労(中)、アルテマ、ミッシングによるダメージ [装備]:ゼブラアックス@アークザラッドⅡ [道具]:聖なるナイフ@ドラゴンクエストIV、ビー玉@サモンナイト3、 基本支給品一式×2(リーザ、ヘクトル) [思考] 基本:オディオを絶対ぶっ倒す! 1:ジャファルを倒す。 2:リン達やブラッドの仲間、セッツァーの仲間をはじめとして、仲間を集める。 3:つるっぱげを倒す。ケフカに再度遭遇したら話を聞きたい。 4:セッツァーを信用したいが……。 5:アナスタシアとちょこ(名前は知らない)、シャドウ、マッシュ、セッツァーを警戒。 [備考]: ※フロリーナとは恋仲です。 ※鋼の剣@ドラゴンクエストIV(刃折れ)はF-5の砂漠のリーザが埋葬された場所に墓標代わりに突き刺さっています。 【ジャファル@ファイアーエムブレム 烈火の剣】 [状態] ダメージ(小)、疲労(小)、傷跡の痛み。 [装備] 影縫い@FFVI、アサシンダガー@FFVI、黒装束@アークザラッドⅡ、かくれみの@LIVEALIVE [道具] 不明支給品0~1、アルマーズ@FE烈火の剣 基本支給品一式*2 [思考] 基本 殺し合いに乗り、ニノを優勝させる。 1 ヘクトルを殺してニノを確保する。 2 参加者を見つけ次第殺す。深追いをするつもりはない。 3 知り合いに対して躊躇しない。 [備考] ※ニノ支援A時点から参戦 ◆ ◆ ◆ 雨が。 その場にいる者の熱を冷ましていく。 だが、ユーリルの心だけは、どれだけ雨にぬれても冷えることはない。 家族…………? 何だよそれ……。 家族……? シンシアと僕は家族じゃなかったのか? 家族。 なのに、最期にかわした会話が、あんなもの……? 家族。 それは絆。 家族。 決して裏切らない。 家族 血が繋がっていなくてもなれる。 家族。 そうだったはずじゃないか。 家族。 でも……。 家族……! 家族って何だよ。 家族!!!!! 家族なら、もっと他にかわす言葉があったはずなのに!! 今こそユーリルは悟った。 僕たちは家族でも何でもなかった。 僕が大人に成長するまでの間育てるから、見返りとして世界を救えと。 そういう契約関係でしかなかったのだ。 僕一人が騙されて、勝手に幸せになっていただけ。 もうそうとしか考えられなかった。 ちょこの言葉を思い出す。 いいね君は……大切な家族がいて。 でも僕には……家族すらいなかったんだ! 家族の仮面を被った、滑稽な喜劇だったんだ!! 役者はたくさん。 村のみんなたち。 観客はひとり。 僕ひとり。 そんな茶番を茶番だと気付かずに、ユーリルはずっと過ごしてきた。 知らなければ、どれほど幸せだっただろう。 仮初めとはいえ、ユーリルは確かに幸せを感じていたのだから。 知らないでいれば、勇者の誇りを胸に抱いて生きていけたのに。 勇者でいられれば、シンシアの二度目の死でも耐えられた。 その言葉を受け継いで、立派な勇者として魔王オディオを倒そうと誓えた。 勇者でいられれば、今頃友達を死なせることもなかった。 あの憎悪にまみれた男に、クロノたちと揃って四人仲良く討ち死にしたかもしれない。 それでもよかった。 勇者しての責務を果たそうとして、途中で死んだ方が今の何万倍もマシだった。 でも、勇者の本質を生贄だと教えられた今、ユーリルには何もなかった。 あるのは勇者になる前の、ささやかな思い出だけ。 そう思っていた。 しかし、それさえ偽りに満ちたものであった。 勇者であることを知らずに無意識に生きてきただけで、ユーリルは生まれてからずっと勇者だったのだ。 それを捨ててしまった今、ここにいる空っぽの人間を形容するのに、ゴミという言葉以外に当てはまるものはない。 勇者になんかなりたくなかった。 平和に、ずっと平和に生きていたかった。 それなのに、シンシアの最期の言葉は、勇者であれという無意識の強制だった。 「あ、あ、あああああぁぁぁぁぁ……」 再び獣のような声がユーリルから漏れ始める。 もうユーリルの目には、シンシアが幼なじみの顔には見えなかった。 勇者であれ、勇者になれという呪詛にも似た言葉を繰り返す魔物に見えてきた。 楽しかった思い出を守るために、ユーリルはこのシンシアを否定する。 拳を叩きつけられた衝撃で頭蓋骨は割れ、眼球がスポンと飛び出る。 飛び出た眼球は、視神経という糸と繋がったまま、地面に落ちる。 それを見て、ユーリル以外の全員が後ずさった。 「ひッ!」」 特に、眼球と目が合ってしまったアナスタシアは吐き気を催す。 ボキリと、ユーリルはシンシアの首を捻じ切る。 陥没したシンシアの顔の、口があったと思われる場所から赤い泡がゴポリと漏れた。 そのまま胴体と別たれたシンシアの首を、ユーリルは思い切り近くに投げる。 時速200kmを超えたスピードで木にぶつかったそれは、トマトのようにパーンと弾けた。 脳漿や色々な液体が潰れたトマトから流れる。 それが元は人の首だったと言われて、誰が信じられようか。 誰もが、動けなかった。 シンシアをシンシア『だったモノ』に、ユーリルはしていく。 ここにいたのがシンシアであることを否定するかのように。 「ウああああああああァァァああああAああaああ!!」 雨が。 激しさを増してきた。 腹部を素手で引き裂くと、みっしり詰まった臓器が飛び出る。 胃を鷲掴みにして握りつぶすと、中から酸味のある刺激臭がする。 長い大腸を引きずり出し、細かくちぎっては投げ、細かくちぎっては投げた。 拳を叩きつけるたびにぐちゃり、ぐちゃりと、音に水っぽさが増した。 拳を。 振り上げては下ろす、振り上げては下ろす。 ただ、その繰り返し。 拳を叩きつけ、こねて、臓器を掻き出す。 雨が、シンシアの体内にも降り注ぐ。 ユーリルの顔と衣服は、もはや返り血でビチャビチャだった。 だが、そんなものを気にする余裕さえないほど、今のユーリルは狂気に染まっていた。 雨がユーリルの血を流しても流しても、新たな血液が付着した。 肝臓。 心臓、肺。 膵臓、腎臓、小腸。 胆嚢副腎脾臓頚椎鎖骨肩甲骨。 胸骨肋骨大腿骨指骨尺骨脛骨。 全てを粉々に砕く。 全てを握りつぶす。 シンシアの全てをユーリルは否定する。 それでも飽き足らないのか、立ち上がってシンシア『だったモノ』を踏みつける。 「うわああああああああああああああああ!!」 ぶちゅり、ぶちゅり。 人間らしい原型がもうどこにもない。 それでも、ユーリルは足りない。 シンシアの肉片が平らになって踏む場所がなくなっても、足りない。 「ウッ……」 口元を押さえ、ロザリーは思う。 こんなの、人の死に方じゃない。 人の尊厳を完全に無視してる。 それに、何よりあの心優しい勇者ユーリルがこんなことをするとは信じられなかった。 しかも、末期の会話を聞く限り、知り合いのようだった。 何故そんなことが知り合いに対してできるのか、不思議でならない。 最期に、シンシアというミネアの姿を取っていた女性が言っていたことを思い出す。 勇者たれ、と。 その言葉を聞いた時、ユーリルの拳が彼女の顔面を破壊した。 もしかして、ロザリーはとんでもない思い違いをしていたのではないだろうか。 マリアベルの先刻語った英雄に関する話を嫌でも思い出す。 アナスタシアは、『英雄』になどなりたくなかったのだ、と。 勇者ユーリルは仲間と楽しい想い出を作っていたように見える。 けれど、それは導かれし者たちにとっては楽しい思い出であっても、ユーリル本人は楽しくないと感じていたら? 彼もまた時代と世界に選ばれてしまった勇者で、本当は勇者になりたくのかったのだとしたら? 本当のことはユーリルしか分からない。 それはロザリーの勝手な想像。 でも、これ以上死者を冒涜するのは見捨てておけなかった。 「お、お止めください勇者様! あなたはこんな方が出来る方では――」 肩を掴んで、ユーリルの凶行を止めようとする。 しかし、ユーリルはロザリーの体を突き飛ばし、吹き飛んだロザリーは後頭部を強かに木に打ち、意識を失った。 倒れたロザリーの体を抱き起こし、意識がないことを確認すると、マリアベルは事情を知っていそうなブラッドに詰問口調で聞いた。 「……どういうことじゃブラッド?」 「俺にも分からない。 ただ、貴女なら知っているのではないか?」 ブラッドもユーリルに出会ってから経った時間は、マリアベルと数秒ほどしか時間が違わない。 名前さえ知らない。 だから、ユーリルと一緒にいたであろう人に聞く。 ブラッドは、その人物の方向に振り返る。 「<剣の聖女>、アナスタシア・ルン・ヴァレリア」 イスラもマリアベルも、ブラッドもアキラも、アナスタシアの説明を求める目で見た。 だが、アナスタシアは目をそらし、責任逃れをした。 「わ、私は……知らないわ……」 いけないことだったのか。 そんなに『英雄』とは生贄だと言ったことが悪いのか。 責めるような目で見るみんなの視線が、アナスタシアは痛かった。 ちょこもいない今のアナスタシアは、素人に毛が生えた程度の力しかない。 そのことも、アナスタシアの答を鈍らせる原因となっていた。 今ユーリルと、その他の人と戦うことになったら? 死が、近づいてくるのをアナスタシアは感じ取る。 そこで、ユーリルの足がピタリと止まり、憤怒の形相でアナスタシアを睨み付けた。 知らないだと? 誰のせいでこうなった? どうしてこうなったと思っているんだ? 全ての原因はシンシアではなく、お前にあるのではないか? 勇者は生贄だと知ったせいで、誰がこんなに苦しんだと思っている? そうだ、倒すべきはシンシアだったモノではない。 この<剣の聖女>、アナスタシア・ルン・ヴァレリアではないか。 アナスタシア憎しの感情が、ユーリルの中で膨れ上がる。 そして、それが頂点に達したとき、ユーリルは天の怒りを呼んだ。 「アナスタシアあああああああああああああああああああああああ!!」 ユーリルの声に応えるように、大きな雷が落ちた。 しかし、それは正義の雷でも、覇者の雷でも、勇気の雷でも、勇者の雷でもなかった。 雷は、黒い燐光を帯びていた。 ユーリルの憎しみに染まったかのような黒い雷が、ところ構わず落ちて破壊を撒き散らす。 「殺して、殺してやる! アナスタシア・ルン・ヴァレリアああああああああああ!」 何故、何故なのだろうか。 マリアベルはアガートラームを見つけたとき、これを然るべき人物に渡すつもりだった。 しかし、今のアナスタシアにはその気があまりしない。 アナスタシアが今までに見せたことの無い表情をしていたから。 普通の少女として生きたいと願っていた少女に、暗いものを感じたから。 けれど、アナスタシアが守る対象なのは変わりない。 マリアベルがロザリーを誰かに任せるか、どこか安全なとこへ運ぼうとしたとき、さらなる事態が起こる。 「ロザリー!」 かの声は、魔族の若き王ピサロ。 ロザリーがいると分かって一心不乱に探し、疲労の果てに倒れ、そして起きたのがつい先ほどだ。 そこから再び捜索をすると、多数の人が集まっているところを発見。 近寄ってみれば、そこには愛しきロザリーの姿もある。 しかし、何やらロザリーは目を閉じられている。 しかも、衣服には血の跡と人間の姿。 それだけで、ピサロは何が起きたかを理解した。 「下等な人間風情が……ロザリーに何をしたァーーー!」 疾風のごとく駆ける。 怒りのあまり、ピサロには気づかない。 ロザリーの衣服の血が乾ききっていることにも。 雨雲で曇り、薄暗くなった空間ではそれも判別しづらい。 新手の登場に、イスラは舌打ちをしてピサロの進行方向に立ちはだかる。 どうも<剣の聖女>といると、ロクな目にあわないらしい。 やはりイスラはアナスタシアになど会いたくはなかった。 イスラにとって、アナスタシアは疫病神のようだった。 さらに、新手が現れる。 「カエル!?」 「魔王だと!?」 異形の騎士と、オディオとは違うもう一人の魔王も現れる。 「行けるか、カエル?」 「言われずとも、な……」 北に進路を取っていた彼らが、黒い雷に惹かれたかのように姿を見せた。 「一体何人来るんだよッ!?」 アキラが迎撃の態勢を取りながら叫ぶ。 <剣の聖女>、アナスタシア・ルン・ヴァレリア。 堕ちた勇者、ユーリル。 魔族の王、ピサロ。 ガルディアを守る騎士、カエル。 オディオとは違う、もう一人の魔王。 ノーブルレッド、マリアベル。 スレイハイム解放戦線の『英雄』ブラッド・エヴァンス。 死にたがりの道化、イスラ。 怒りによって勇気を得し者、アキラ。 気絶したエルフ、ロザリー。 そして離れたところにオスティア候、ヘクトル。 キアラン候の孫娘にして、ロルカ族のリン。 黒い牙の暗殺者、ジャファル。 ロザリーと同じく、気絶した非力な少女、ニノ。 実に14人もの人間が集まっている。 シンシアも含めれば15人。 残り人数の半分近い人間がここに集まっているのだ。 ユーリル、ピサロ、カエルと魔王。 三方向から襲い掛かる敵に対して、逃走はもはや不可能にも思えた。 どちらかに逃げようとすれば、背後をつかれる。 ならば、もう一つ残された方法をブラッドが提案する。 「アキラッ! テレポートはいけるか!?」 「分かんねぇ! いつでもいけるようにはするけどよ、ヘクトルたちが離れすぎてる! あいつら置いて行けねぇよッ!」 それもそうだ。 辛うじてここにいる人員をテレポートで離脱させても、ヘクトルたちがいる。 戻ってきたヘクトルたちが残された魔王たちの餌食にならないとは限らない。 ならば―― 「戦うしかないということかッ!」 拳を、固く握り締める。 アナスタシアの護衛をしつつ、襲ってくる四人と戦う。 こちらもブラッドを含めてマリアベル、アキラ、イスラがいるが、戦闘力が互角かは分からない。 一人が倒れれば、残された人員もあっという間に死んでいくだろう。 マリアベルも戦闘の覚悟をした。 「正念場じゃぞッ!」 雨が。 本降りになって泥を跳ねさせる。 煙る雨の中、いくつもの戦いが、いくつもの想いを抱えて始まる。 「時間だ……」 その中で魔王オディオの声だけがよく響いた。 オディオの事前の予告どおり、激しい雨が戦場を濡らす。 降りだした雨は誰かの涙。 鳴りだした雷は誰かの怒り。 今。 残り半数以上を巻き込んだ戦いの幕は。 壮絶な雨模様の中、火蓋を切って落とされた。 【C-7橋の近く 一日目 夕方(放送直前)】 【アナスタシア・ルン・ヴァレリア@WILD ARMS 2nd IGNITION】 [状態]:健康 [装備]:絶望の鎌@クロノ・トリガー、賢者の石@ドラゴンクエストⅣ [道具]:不明支給品0~1個(負けない、生き残るのに適したもの)、基本支給品一式 [思考] 基本:生きたい。そのうち殺し合いに乗るつもり。ちょこを『力』として利用する。 1:あらゆる手段を使って今の状況から生き残る。 2:施設を見て回る。 3:ちょこにまた会って守ってもらいたい。 [備考] ※参戦時期はED後です。 ※名簿を未確認なまま解読不能までに燃やしました。 ※ちょこの支給品と自分の支給品から、『負けない、生き残るのに適したもの』を選別しました。 例えば、防具、回復アイテム、逃走手段などです。 尚、黄色いリボンについては水着セットが一緒に入っていたため、ただのリボンだと誤解していました。 ※アシュレーも参加してるのではないかと疑っています。 【ユーリル(DQ4男勇者)@ドラゴンクエストIV】 [状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、精神疲労(極)、アナスタシアへの強い憎悪、押し寄せる深い悲しみ [装備]:最強バンテージ@LIVEALIVE、天使の羽@FFVI、天空の剣(開放)@DQⅣ、湿った鯛焼き@LIVEALIVE [道具]:基本支給品一式×2(ランタンは一つ) [思考] 基本:アナスタシアが憎い 1:アナスタシアを殺す。 邪魔する人も殺す。 [備考]: ※自分とクロノの仲間、要注意人物、世界を把握。 ※参戦時期は六章終了後、エンディングでマーニャと別れ一人村に帰ろうとしていたところです。 ※オディオは何らかの時を超える力を持っている。 その力と世界樹の葉を組み合わせての死者蘇生が可能。 以上二つを考えました。 ※アナスタシアへの憎悪をきっかけにちょことの戦闘、会話で抑えていた感情や人間らしさが止めどなく溢れています。 制御する術を忘れて久しい感情に飲み込まれ引っ張りまわされています。 ※ルーラは一度行った施設へのみ跳ぶことができます。 ただし制限で瞬間移動というわけでなくいくらか到着までに時間がかかります。 【ピサロ@ドラゴンクエストIV 】 [状態]:全身に打傷。鳩尾に重いダメージ。激怒 疲労(大)人間に対する憎悪、自身に対する苛立ち [装備]:ヨシユキ@LIVE A LIVE、ヴァイオレイター@WILD ARMS 2nd IGNITION [道具]:基本支給品一式、データタブレット@WILD ARMS 2nd IGNITION [思考] 基本:優勝し、魔王オディオと接触する。 1:目の前にいる人間を殺す。 2:皆殺し(特に人間を優先的に) [備考]: ※名簿を確認しました。ロザリーの存在を知りました。 ※参戦時期は5章最終決戦直後 ※ロザリーが死んだと思ってます。 ※一度気絶して起きたので、多少は回復してます。 【アキラ@LIVE A LIVE】 [状態] テレポートによる精神力消費。 [装備] 激怒の腕輪@クロノ・トリガー [道具] 清酒・龍殺し@サモンナイト3の空き瓶、基本支給品一式×3 [思考] 基本 オディオを倒して殺し合いを止める。 1 とりあえず状況に対処。 テレポートの使用も考慮。 2 高原日勝、無法松との合流。 3 レイ・クウゴ、アイシャ・ベルナデット(カノン)、ミネアの仇を取る。 4 どうにかして首輪を解除する。 [備考] ※参戦時期は最終編(心のダンジョン攻略済み、魔王山に挑む前、オディオとの面識は無し)からです ※テレポートの使用も最後の手段として考えています ※超能力の制限に気付きました。 ※ストレイボウの顔を見知っています ※カノンの名をアイシャ・ベルナデット、リンの名をリンディスだと思っています。 ※名簿の内容に疑問を持っています。 【ロザリー@ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち】 [状態]:疲労(中)衣服に穴と血の跡アリ、気分が悪い (若干持ち直した) 、気絶 [装備]:クレストグラフ(ニノと合わせて5枚)@WA2 [道具]:双眼鏡@現実、基本支給品一式 [思考] 基本:殺し合いを止める。 0:気絶 1:ピサロ様を捜す。 2:ユーリル、ミネアたちとの合流 3:サンダウンさん、ニノ、シュウ、マリアベルの仲間を捜す。 4 あれは、一体…… [備考] ※参戦時期は6章終了時(エンディング後)です。 ※一度死んでいる為、本来なら感じ取れない筈の『何処か』を感知しました。 ※ロザリーの声がどの辺りまで響くのかは不明。 また、イムル村のように特定の地点でないと聞こえない可能性もあります。 ※ロザリーが何を伝えたかは後続の書き手氏に任せます 【マリアベル・アーミティッジ@WILD ARMS 2nd IGNITION】 [状態]:疲労(小) [装備]:マリアベルの着ぐるみ(ところどころに穴アリ)@WA2 [道具]:ゲートホルダー@クロノトリガー、基本支給品一式 、マタンゴ@LAL、アガートラーム@WA2 [思考] 基本:人間の可能性を信じ、魔王を倒す。 0:眼の前の状況に対処。 1:付近の探索を行い、情報を集める。 2:元ARMSメンバー、シュウ達の仲間達と合流。 3:この殺し合いについての情報を得る。 4:首輪の解除。 5:この機械を調べたい。 6:アカ&アオも探したい。 7:アキラは信頼できる。 ピサロ、カエルを警戒。 8:アガートラームが本物だった場合、然るべき人物に渡す。 アナスタシアに渡したいが……? [備考]: ※参戦時期はクリア後。 ※アナスタシアのことは未だ話していません。生き返ったのではと思い至りました。 ※レッドパワーはすべて習得しています。 ※ゲートの行き先の法則は不明です。 完全ランダムか、ループ型なのかも不明。 原作の通り、四人以上の人間がゲートを通ろうとすると、歪みが発生します。 時の最果ての変わりに、ロザリーの感じた何処かへ飛ばされるかもしれません。 また、ゲートは何度か使いましたが、現状では問題はありません。 ※『何処か』は心のダンジョンを想定しています。 現在までの死者の思念がその場所の存在しています。 (ルクレチアの民がどうなっているかは後続の書き手氏にお任せします) 【ブラッド・エヴァンス@WILD ARMS 2nd IGNITION】 [状態]:全身に火傷(多少マシに)、疲労(中)、額と右腕から出血、アルテマ、ミッシングによるダメージ。 [装備]:ドラゴンクロー@ファイナルファンタジーVI [道具]:リニアレールキャノン(BLT0/1)@WILD ARMS 2nd IGNITION 不明支給品0~1個、基本支給品一式、 [思考] 基本:オディオを倒すという目的のために人々がまとまるよう、『勇気』を引き出す為の導として戦い抜く。 1:眼の前の状況に対処する。 2:自分の仲間とヘクトルの仲間をはじめとして、仲間を集める。 3:セッツァーとマッシュの情報に疑問。以後セッツァーとマッシュは警戒。 4:再度遭遇したらケフカを倒す。魔王を倒す。ちょこ(名前は知らない)は警戒。 [備考] ※参戦時期はクリア後。 ※いかりのリング@FFⅥ、パワーマフラー@クロノトリガー、アリシアのナイフ@LIVE A LIVE、44マグナム&弾薬(残段数不明)@LIVE A LIVE 以上のアイテムは回収され、ブラッドたちに分配されました。 細かい配分はお任せします。 【イスラ・レヴィノス@サモンナイト3 】 [状態]:アルテマ、ミッシングによるダメージ、疲労(中) [装備]:魔界の剣@ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち [道具]:不明支給品0~1個(本人確認済み)、基本支給品一式(名簿確認済み) ドーリーショット@アークザラッドⅡ 鯛焼きセット(鯛焼き*2、ミサワ焼き*2、ど根性焼き*1)@LIVEALIVE、ビジュの首輪、 [思考] 基本:感情が整理できない。自分と大きく異なる存在であるヘクトルと行動し、自分の感情の正体を探る。 1:眼の前の状況に対処。 2:ケフカと再度遭遇したら確実に仕留める。 3:次にセッツァーとマッシュに出会ったときは警戒。 [備考]: ※高原、クロノ、マッシュ、ユーリル、ヘクトル、ブラッドの仲間と要注意人物を把握済み。 ※参戦時期は16話死亡直後。そのため、病魔の呪いから解かれています。 【カエル@クロノ・トリガー】 [状態]:左上腕脱臼&『覚悟の証』である刺傷。 ダメージ(中)、疲労(中) [装備]:にじ@クロノトリガー [道具]:基本支給品一式 [思考] 基本:ガルディア王国の消滅を回避するため、優勝を狙う。 1:眼の前の戦闘に参加。出来る限り殺す。 2:魔王と共に全参加者の殺害。特に仲間優先。最後に魔王と決着をつける 3:できればストレイボウには彼の友を救って欲しい。 [備考]: ※参戦時期はクロノ復活直後(グランドリオン未解放)。 【魔王@クロノ・トリガー】 [状態]:ダメージ(中)、疲労(中) [装備]:魔鍵ランドルフ@WILD ARMS 2nd IGNITION 、サラのお守り@クロノトリガー [道具]:不明支給品0~1個、基本支給品一式 [思考] 基本:優勝して、姉に会う。 1:眼の前の戦闘に参加。出来る限り殺す 2:カエルと組んで全参加者の殺害。最後にカエルと決着をつける [備考] ※参戦時期はクリア後です。ラヴォスに吸収された魔力をヘルガイザーやバリアチェンジが使える位には回復しています。 ※ブラックホールがオディオに封じられていること、その理由の時のたまご理論を知りました。 ※遺跡の下が危険だということに気付きました。 ※ミラクルシューズ@FFIV、ソウルセイバー@FFIV、シンシアの持っていたデイパックがシンシアの死体付近に落ちてます。 ※デイパックの中には基本支給品一式*3、ドッペル君@クロノトリガー、デーモンスピア@DQ4、昭和ヒヨコッコ砲@LIVEALIVEが入ってます。 時系列順で読む BACK△098-2 Famille?▼099 戦友へ 投下順で読む BACK△098-2 Famille?▼099 戦友へ 098-2 Famille? シンシア GAME OVER アキラ 106-1 届け、いつか(前編) アナスタシア ブラッド イスラ カエル 魔王 ユーリル マリアベル ロザリー ピサロ ヘクトル 108-1 暴かれた世界 リン ジャファル ニノ ちょこ 110 シャドウ、『夕陽』に立ち向かう ▲
https://w.atwiki.jp/madougakuin/pages/230.html
エリー・アナスタシア・アラゴン 土の塔307号/女性/18歳/162cm/54kg 学年:魔技師課程留年 専攻:物体操作系魔術 天分:大規模攻城魔術 楽しみな授業:魔剣と呼ばれる遺物 貴族の娘。 アラゴン家が昔、その位に見合わないほどの功績を上げたため、 それを恨めしく思った他の貴族たちの念により、 生まれる子供の中に必ず狐の姿で生まれてしまう呪いにかかっている。 妹のシャルロッテがそれであり、彼女を他人の奇異の目から守っている。 留年したのは病気にかかってしまった妹に合わせるため。 妹が第一で他はわりとどうでもいい。 妹を守っているようでその実、両親に愛を与えられなかった事実から 目を逸らしている。本人はそれに気づいていない。 戦闘能力は高い。 常に持ち歩いている日傘は、中に重りが入っており、つまりイライラするとそれで殴る用。 +関係ない話... 中の人はamyu .
https://w.atwiki.jp/aatrpg/pages/559.html
名前 「マグナム殺し」アナスタシア・ロッソビッチ 性別 女 年齢 14 故郷 ロシア 外見 耽美(マントやロングコート) 表の顔 ルポライター チーム 夜明けのロックンロールボーイズ 盟約 階級 好/嫌 夕暮れ / ウイスキー 好み バランスのいい同い年 好きな映画 「温泉が待ち遠しい!」 経験点 残 言語 会話 読文 オオサカベン ○ ○ ロシア語 ○ ○ 環境値 天分値 犯罪 3 肉体 4 生活 3 精神 6 恋愛 1 戦闘力 教養 3 反応 4 戦闘 3 攻撃 5 性業値 6 破壊 1 環境値/天分値表 数値 1 2 3 4 5 6 7 8 犯罪 カタギ 甘ちゃん チンピラ 札ツキ ならず者 プロ 悪党 犯罪王 生活 路上生活 赤貧 貧乏 快適 富裕 上流 お大尽 貴族 恋愛 朴念仁 奥手 十人並 人気者 遊び人 お洒落 色事師 快楽天 教養 原始人 おばか 凡人 知的 物知り 博学 天才 紙一重 戦闘 雑魚 チキン アマチュア 勇敢 猛者 百戦錬磨 無敵 武神 肉体 貧弱 健康 頑健 強靭 超人 肉体の悪魔 精神 惰弱 正常 大胆不敵 切れ者 幽幻 禅 肉体点 10/10 精神点 10/10 サイフ 3/3 通常装備 6/7 中毒 トリコ 装備 武器 命中 ダメージ 射程 備考 参照 チーフスペシャル 7 5 射撃 暗器・リボルバー 参照 チーフスペシャル 7 5 射撃 暗器・リボルバー 参照 乗物 スピード 車体 荷物 参照 ヴェスパ 3 1 2 身軽 参照 装備 備考 参照 携帯電話 参照 携帯電話 参照 イカサマサイコロ ギャンブル・回数:1 参照 アジト 快適度 セキュリティ 備考 参照 中華街 10 10 参照 趣味 カテゴリ サブカル アート マジメ 休日 イヤシ 風俗 タグ 音楽 アラサガシ アウトドア 育成 アダルト アブノーマル おせっかい 工作 サビシガリヤ 飲食 カワイイ トレンド スポーツ ヒマツブシ ギャンブル トンデモ 読書 家事 宗教 ゴシップ マニア パフォーマンス ガリ勉 ハイソ ファッション ヲタク 美術 健康 旅行 ワビサビ カルマ カルマ 種別 異能/代償 使用 対象 判定 備考 リーダー 宿業 チームワーク 補助 自分 性業値 使命 終了時 自分 なし
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/184.html
知力25 LIVE A LIVEの高原日勝のこと。原作でもしばしば使われる。 原始人にも負ける知力で、発言にもバカっぽさがちらほら見受けられる。 このロワの愛すべきバカ。 脳筋コンビ LIVE A LIVEの高原とFF6のマッシュのコンビの愛称。 両者とも、近接格闘が得意なことからこの名で呼ばれることが多い。 どうやら馬鹿は感染するらしく、最近はクロノトリガーのクロノも仲間入りを果たしている。 ミネアさん ザ・死亡フラグ。 自己犠牲魔法をデフォで覚えているだけでもあれなのに、一時は十を越える死亡フラグを持っていた。 その時スレに書き込まれた死亡フラグがこちらである。 弱いとは言わんが強くもない微妙極まりない対主催=噛ませに最適 対主催に有効なスキルなし、取り得の回復呪文は役立たず、 仲間も、ピサロは五章終了後、ユーリルはシンシアとの絡みが期待できるんで それ以外の仲間は死んでるし別にここで彼女が死んで再会フラグ折れたところで何の支障もない デスイリュージョンという強力な武器を手に入れたことで逃走を選びにくくなるかも ブラストボイスが騒音を立てる可能性あり、というかアキラが神殿に向け拡声器使用 保護しているアリーゼが精神状態的に危なく、すれ違いも発生している 皆殺しのリン、半覚醒 神殿の周り火事発生、加えて近くにルカ・ブライト 危険人物であるカノンを気にしている とどめの自己犠牲呪文 なんという八方塞がり……これは間違いなく生還できない。 もちろんこれは半分ネタ混じりの冗談であったが、スレ住人はミネアさんがいつ死んでもいいよう覚悟はしていたに違いない。 その後は、何気に死なずに長生きしていた。 ……のも過去の話になってしまった、あーめん。 スレ内での扱いを考えると、よくここまでもったと健闘を称えるべきだろう。 女性キャラ 一時期まで本ロワにおいて不遇とされていた存在。 最近は男も連続して死んでるためそうとは言えなくなってきているが、一時期は本当に女性キャラが相次いで死んでいた。 あまりの女性キャラの脱落ペースの速さに、このままでは第二の福本ロワになるとまで言われていたほどである。 これについては主催者がオディオだからもう仕方ないな、という諦めの意見もあった。 どうしてこうなった ユーリルが発した悲惨すぎる呟き。元ネタは別にあるので気になる方はググるといい。 元ネタはともかくとして、現在はギャグに近いノリで使われるこの言葉。 しかし清く正しい勇者であったユーリルが、アナスタシアに出会い彼女の境遇を知り、紆余曲折を経た苦悩の末に出た言葉がこれである。 本来ならギャグシーンなどで使われるこの言葉も、これまでのユーリルの常識を覆す怒涛の展開と圧倒的な説得力を持つ文章によって瞬く間に重い響きを持つことになった。 重い、重すぎてとても笑えない。いや別の意味では笑ったけど。 まさか正統派対主催だったユーリルがここまで悲惨な目にあうとは誰が想像できただろう。 どうしてこうなったという呟きはユーリルはおろか読み手の心情さえも代弁していた。 …え、ビジュ?その、がんばれ… 登場話においてあろうことか最強チートちょこちゃんに襲い掛かってしまったビジュ 結果は言わずもがな ほうほうのていで逃げ出した彼への励ましの上記励まし兼哀れみの言葉が感想として溢れかえった こうも哀れみと応援の言葉をかけられるマーダーも珍しい なおビジュは結局サラマンダー(殺害数0)として生涯を終えたのであった 変身 当ロワの売りの一つ 元来RPG系ゲームといえばラスボスをはじめボスキャラが変身能力を持つものが多かった RPGロワでもお約束に違わずイスラ、ピサロ、ケフカ、オディオが可能 またボスキャラに止まらず主人公サイドでもティナ、アシュレー、アティが可能である 残念ながらロワ内ではティナの変身を見ることは叶わなかったが、 掟破りのリルカのアクセスやアシュレーの新形態など見所であることは間違いない 『勇者』、『英雄』 当ロワにおけるキーワードの一つとも言えるもの。 各作品からは勇者や英雄と呼ばれる人物が数多く参戦している。 それだけに留まらず勇者ユーリルと剣の聖女アナスタシアとの邂逅を始め、英雄とは何か、勇者とは何かを考えさせる話が多い。 これはLIVEALIVEやWILD ARMS 2nd IGNITIONのような、RPGにおけるお約束の存在な勇者という存在意義に一石を投じた作品が多く参加しているからだろう。 主催者である魔王オディオ本人も彼の境遇を考えると、勇者や英雄に対して何らかの思惑を抱いていてもおかしくはない。 現に参加者の中には、ロワに参加させられたのは「英雄とその関係者たち」ではないかと考察した集団もいる。 数多くの出会いと別れ、そして死別。因縁の敵との対決。友との友情。心温まるひと時。対立する思想や主義。 それらが織りなすロワという世界の中で、参加者が勇者や英雄とはどのようなものなのか答えを見つけ出す日は来るのか……? それは、固唾を飲んで見守ろう。